Interior『Interior(インテリア)』(82)/Interiors『DESIGN(デザイン)』(87)
20年以上前から気になっていたバンドがあった。Interior(インテリア)というバンドで、細野晴臣の¥ENレーベルからアルバムが出ていた。そのバンドについてはまったく予備知識がなく、細野がプロデュースしているということで買ってみたのだけど、これがよかったのだ。
Interior/Interior(82) |
アルバムの帯にハードアンビエンスと書いてある。いわゆるアンビエント(環境音楽)に属する楽曲ということらしい。アンビエントというとブライアン・イーノの『Music for Airports』(78)がブームの火付けとなっているが、その思想は『ジムノペディ』(1888)でお馴染のエリック・サティ(1866-1925)まで溯る。『家具の音楽』(1920)という作品は家具のように存在することをめざし、聴かれないことが望まれた。
Music for Airports Brian Eno |
サティ:ピアノ作品集(1) 高橋悠治 サティを聴くなら絶対に 高橋悠治 です。 |
ハードアンビエントの『Interior』は、まぁ、家具のように存在することは不可能で、それでも静的な空間の広がりを意識したものとなっている。メロディーラインがいいという訳でもない(ミニマムが基本でもあるし)のだが、リアルな音が何ともいえず心地よかった。とてもクールで、人を寄せ付けないような作風だがそれが魅力になっている。
このアルバムは当然廃盤になっていて、CDでも発売されていない。Interiorのその後の活躍を期待していたのだが、ほとんど目にすることはできなかった。
最近、再び気になって調べたところ、Windham Hillという海外のレーベルからアルバムを発売していることが判った。85年にInteriorのリミックス盤、そして、87年に『DESIGN』を出しているらしかった。メンバーが野中英紀・日向大介だけとなって、バンド名が Interior から Interiors に変更されていた。
Interiors/DESIGN(87) |
これも廃盤になっているらしく、ヤフオクでようやく見つけた。落札価格1320円(+送料180円)。
前作よりはクールではなくなっているが、より技巧的になった? もう少し聴き込まないとはっきりは言えないけど、目指す方向がちょっと変わってきたのかもしれないという感じがある。ちなみにこのアルバムが最後で Interiorsとしては作品を発表していない。
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