« 不愉快なことがあれば... | トップページ | デジタルアトラス »

2005.12.10

みずほ証券ジェイコム株事件/システムの弱点

 みずほ証券がジェイコム株を売り出す際、1株61万円を1円61万株として処理を行い、300億円以上の損失を出すという事件なのだが、長らくシステム構築に携ってきた人間としては、こういうことが起こってもまったく不思議でない。逆に今まで起らなかった方が不思議だという感じだ。

 システムを構築する際には、あたしが携ったシステムについては、入力されるデータについてどんな値でも素通しで入力できるのではなく、可能な限りシステム側でチェックする機構を設けてきた。とにかく人間とは誤りを犯すというのが前提であり、それをシステムで補おうという発想である。

 システムで入力データをチェックする場合、データの想定範囲を設定するのが基本である。ある範囲以外のデータが入力された場合は、エラーにして弾く(登録拒否する)という事なのだが、これがまた一筋縄でいかないものであって、通常では考えられないデータを登録しないといけない場合もあったりする。つまり、システムの判断だけでOK・NGを決定できず、警告を発してオペレータに確認を促してから、登録実行を行わせるという手順がどうしても必要になる。

 例外的データを登録する際、2回3回の確認を促すメッセージを表示したうえで、処理が進むようにしたりするのだが、実はこれらのメッセージが完全に注意され、読まれているかというと非常に怪しい。実際に訳の判らないデータを入れられて、直接データを修正するということを何度か行ったことがある。システムが親切で頻繁に警告等を発する場合、段々それをオペレータが見なくなってしまうという傾向もあるのだ。システムにあまりにもチェックを頼るとエラー警告が当然のようになり、警告が警告でない手順のひとつになってしまい、結果的にエラーが見逃されてしまう。システム構築側がよかれと思ってやったことが徒[あだ]になることも少なくない。

 今回も何度となく発せられた警告がすべて無視され、処理されたと云う。システム構築も処理機能だけでなく、インターフェイス面からのオペレータの心理研究を本格的に行う必要がありそうだ。

|

« 不愉快なことがあれば... | トップページ | デジタルアトラス »

ニュース」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

道具」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/90327/7546604

この記事へのトラックバック一覧です: みずほ証券ジェイコム株事件/システムの弱点:

« 不愉快なことがあれば... | トップページ | デジタルアトラス »