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2005.12.12

システムのバグについて/みずほ証券・東証事件

 みずほ証券のジェイコム株の誤発注事件について、キャンセル処理を受け付けなかった東証のシステムの問題もあり、みずほ証券が東証に対して損害賠償をもとめることもあるという話で、報道ステーションの古舘はさらにシステム開発元に対しても賠償を求めるべきといったような発言をしていた。開発元は富士通のようなのだけど、富士通に瑕疵があったとして、損害賠償を求められるのかどうか。

 これまでに9年ほど業務システムの改造・新規開発に携っていたのだけど、電算システム業務のウエイトは次のような感じだ。仕様設定に対するウエイトは3から4、そして、システム検証に対するウエイトは7から6ということになる。使い勝手のよい仕様設定はたしかに大事ではあるが、それは二の次であり、まずはシステムが正常に稼働するということが大前提になる。使い勝手が多少悪くてもきちんと動いていれば、まずはOKなのだ。システムは動くことが当たり前で、きちんと動かなければ、「ただの箱」といわれる電源の入っていないPCより価値はない。プログラムは誤りを起す人間の作るもの。バグは絶対に存在する。それを潰して使えるものにするのが、システム担当者の重要な仕事である。

 新規開発で仕様決定は何十人が参加していても、最終的な検証、バグつぶしは数人での作業になる。人数が多くいれば緻密に素早くできるという訳でなく、チェックすべきポイントを押さえてテストパターンを考えられるだけ作成し、さらに処理フローに沿ってシステムを動かして、欠陥を見つけ出す。一度はこの手の作業を2ヶ月間、事務所とは別室で缶詰状態で土日なしでやったことがある。バグレポートが10cmくらいの厚さになって、ようやくシステムの完成を見ることになったのだけど、「動いて当たり前」という言葉はやはり厳しい。

 そんな経験をしているので、運用中に問題が生じた場合は委託先には早急に対応して貰うということになるのだけども、もちろん欠陥を見落としたテスターであるあたしの責任という感覚が強い。検証も開発委託先がすべてやってくれれば本当に楽だけど、幾つかのソフトハウスと関ってきたが、そういうところはなかったなぁ。

 システム開発の富士通の株価がさっそく落ちてきているようだけども、東証のシステム担当者のスキル不足もかなりのものじゃないかと思う。

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