トラウデル・ユンゲ『私はヒトラーの秘書だった』(02)
この夏公開された映画オリヴァー・ヒルシュビーゲル『ヒトラー 最後の12日間』(04)の原作となっているトラウデル・ユンゲの『私はヒトラーの秘書だった』をようやく読了する。思わぬことからヒトラーの秘書になってしまった女性の、ヒトラーの死までの2年間半の秘書生活を記したものである。映画は未見だがブルーノ・ガンツがヒトラーを演じているということもあり、来年1月に発売されるDVDは購入の予定。
私はヒトラーの秘書だった トラウデル・ユンゲ(著) 足立ラーべ加代・高島市子(翻訳) |
読み終えて虚脱感。ヒトラーの行ってきたことは、まぁ、言ってしまえば極悪なことなのだが、日常的にも極悪とは思っていなかったものの、それにしてもまったく何もないということに対して「はぁ...」としかいいようがない。
映画は最後の12日間と云うことで、死期が近付いたのを知ったヒトラーがすべての判断を行うことを停止してしまった頃のことがメインに描かれていると思われる。近辺の者に毒物を配布し、部屋に引きこもる。一方、ラジオ放送は総統は今も勝利に向けて指揮を行っていると国民に知らせ続けている。
作戦会議に出席するわけでもない秘書はヒトラーが何をしているのかまったくしらず、紳士的で、カリスマ性を持った人間であるとしか見ていない。ただ空爆がひどくなり、敗戦が間違いないと感じられる頃には「この人が死ねば戦争が終るのに...」と思ったりするのだが。
ヒトラーの秘書をしていたということでユンゲは戦後苦悩するが、それは十分に理解できることなのだが、この記録を読んでなにかを見いだせといわれても、困ったことに何もない。どうしてなのか自分でもよく判らない。
ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディション 監督: オリヴァー・ヒルシュビーゲル |
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