朝日新聞社『アサヒグラフ 1952年8月6日号』
暗いテーマが続くけども、今日は『アサヒグラフ 1952年8月6日号』。ヤフオクを見ると丁度出品があったので落札した。落札価格は開始値の800円(+送料180円)。
この号のアサヒグラフの特集は「原爆被害の初公開」ということで原爆投下後7年目にして、惨劇を写し撮られた写真が初めて一般に公開されることになる。GHQの検閲によって、それまでは写真はもとより文章に至っても、ヒロシマ・ナガサキについて詳細に触れることができなかった。この年、日本の主権回復が行われ、公開に至ったのである。
当時のアサヒグラフはB4サイズで26p。現在の雑誌が大きくてもA4なので、妙に大きく、そして薄っぺらいという印象を受ける。本棚に並べて置けるような代物でないし、比較的折れの少ない状態での保管はどの様に行ったのか気になるところである。初めから箱づめにでもしていたのだろうか。中はすべてモノクロ。広島の平和大橋で撮られた表紙は、発行当初の第一刷ではカラーだったようだが、増刷時は単色にしたらしい。この号の発行部数は計70万部と言われている。定価40円。
26枚の写真が掲載されているが、今ではいずれも有名になったものばかりで、両市の資料館に行ったことがあれば見覚えのあるものに違いない。しかし、何度、目にしても痛ましい写真でこのような雑誌で公開されたとなると、かなりの反響をよんだはずである。発行部数がそれを語っている。当時の人はこれを見てどのように感じたのだろうか。
時代を感じるものとして、誌面の最後の方にしりとり川柳というコーナーがある。それを紹介。
原爆に死し戦犯を指差さず 授かりの命7年持ちこたえ 絶え果てるまで人間と原ばくと 狗屠笑う写真の人に似しカオで お手附けば二枚返しと睨合い 挨拶に八月六日遠くなり |
後日、増刷版ではないカラー表紙版を取得。
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