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2005.10.31

家永三郎 ほか『ヒロシマ ナガサキ 原爆写真・絵画集成 全6巻』(93)

 3ヶ月程前、ヤフオクで落札した書籍。『ヒロシマ ナガサキ 原爆写真・絵画集成 全6巻』(93) 定価は58000円(税抜)であり、普通に買える価格ではない。入手額は開始価格の20500円(+送料1000円)だった。


ヒロシマ ナガサキ 原爆写真・絵画集成

家永三郎・小田切秀雄・黒古一夫編集

1288 p ; A4判 ; 全6巻
出版社: 日本図書センター ; ISBN: 4820571338
(1993/03)

第1巻 被爆の実相

被爆直後の惨状にカメラを向けた写真家たちの映像で構成する。

序 映像記録の意味するもの●家永三郎
アサヒグラフ 1952年8月6日号
広島 戦争と都市
被爆直後 惨禍の映像
記録写真 原爆の長崎●山端庸介
解説 「原点」から黒古一夫

第2巻 惨禍の傷跡

原爆の爪痕は、生き残った人々をさいなみつづける。
その実態にレンズの焦点をあてつづけたカメラマンたちの映像。

写真記録 ヒロシマ25年●佐々木雄一郎
ヒロシマは生きていた●佐々木雄一郎
原爆と人間の記録●福島菊次郎
写真集 長崎の証言●日本リアリズム写真集団長崎支部
いまだ癒えず 現在を語る被爆者たち●日本リアリズム写真集団長崎支部
写真記録 被爆者●森下一徹
解説 「記録」しつづけることの意味●黒古一夫

第3巻 写真集 継続する悲劇

土門拳は二度原爆に取り組んだ。13年後、23年後のヒロシマに。

ヒロシマ●土門拳
憎悪と失意の日日 ヒロシマはつづいている●土門拳
原爆棄民 韓国・朝鮮人被爆者の証言●伊籐孝司
解説 生きている<ヒバクシャ>●黒古一夫

第4巻 絶後の意志

1980年代に入り、反核運動が大きくなる中、原爆を撮った写真家たちの仕事が再確認された。

広島壊滅のとき 被爆カメラマン写真集●広島原爆被災撮影者の会
母と子で見る 原爆を撮った男たち●「反核・写真運動」
米軍返還資料
米軍撮影写真
もの言わぬ証言者たち 原爆遺品●土田ヒロミ
原爆から半世紀 未来への灯として
解説 <風化>に抗して●黒古一夫

第5巻 絵画集 ヒロシマ

『原爆の図』丸木位里・丸木俊、『広島生変図』平山郁夫「被爆市民が描いた原爆の絵」46点、他

原爆の図●丸木位里 丸木俊
きり絵画文集 原爆ヒロシマ●寺尾知文
閃光の軌跡●山下む蘇朴
〝ヒロシマ〟シリーズ●増田勉
被爆市民が描く原爆の絵
人間の再生を希求して 原爆に挑む画家たち
解説 心に刻印された<地獄>●黒古一夫

第6巻 絵画集 ナガサキ

『原爆の図 ながさき』丸木位里・丸木俊
『平和版画集原爆の長崎』上野誠、他

原爆の図●丸木位里 丸木俊
被爆市民が描く原爆の絵
原爆絵巻 崎陽のあらし●深水経孝
原子野スケッチ●山田栄二
平和版画集 原爆の長崎●上野誠
人間の再生を希求して 原爆に挑む画家たち
解説 「証言」と<祈り>、そして<怒り>●黒古一夫

 集成といっても、数限りなくある資料のうちの何十分の1にもならないだろうと思う。まぁ、著名どころを押さえておくのには申し分ないという程度。入手の目的は土門拳の写真を見るためだった。土門といえば寺院や子供の写真で有名だが、ヒロシマを題材にしたものも、よく耳にしていた。ほとんど見る機会がなかったため、思い切って入札した。

 57年に撮られた『ヒロシマ』は痛々しい映像が続く。主に病院にて治療中の被爆者の姿がメインになるのだが、皮膚移植手術の様子や皮膚癌患者の様子が生々しい。また、施設で生活する子供たちも多く被写体となっている。『ヒロシマはつづいている』はさらに10年後のヒロシマの様子を撮ったもの。

 土門は対象にそのまま切込んでいくタイプだ。映像は粗削りで粗野にも思えるが、非常にダイナミックである。ユージンが洗練された象徴的な映像を求めていたのに対して、土門は目の前に存在しているものを生々しくリアルに見せるということを目指しているように思える。どちらが正しいかというのではない。どちらも我々の心を打つものを持っている。


 このシリーズでは多くの写真を扱っており、『写真の扱い、写真説明については、原典を尊重しながらも、本集成独自の構成・整理・トリミング・レイアウトによった。』という断りが入っているが、中に写真のごく一部を拡大して、一枚の写真のように見せるといった無茶なトリミングをしているものがあった。集成ということもあり、全部を掲載できないことから、編集を変えるということはやむを得ないことであると思うが、写真自体のトリミングを第三者が行うのはいかがなものかと思った。写真のイメージが全く違ってくるのである。

 そういう部分がありながら、様々な資料を集め、この出来事を再認識しようとする試みは、間違いなく重要である。

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