« 秋も終りですねぇ... | トップページ | W.ユージン・スミス, アイリーン・M. スミス『写真集 水俣 MINAMATA』(82) »

2005.10.24

世界遺産 原爆ドーム 1/250モデル

 同僚が広島に行くというので、「世界遺産 原爆ドーム」を広島平和記念資料館で買ってきてもらった。

 原爆ドーム、旧広島県産業奨励館の被爆後の姿を1:250のスケールで再現するプラモデル。96年、世界遺産に登録されたこともあり、作製されたものだと思う。パッケージには、

 World Heritage
 Hiroshima Peace Memorial, Genbaku Dome
 A-bomb Dome

と記されている。World Heritage は"世界遺産"で、Hiroshima Peace Memorial, Genbaku Domeは ユネスコでの登録名称 Hiroshima Peace Memorial (Genbaku Dome) "広島平和記念(原爆ドーム)"であり、(the) A-bomb Dome が原爆ドームの直訳になっているが、一般的な英語による表記のようだ。A-bombはもちろん"Atomic bomb"のこと。

 このプラモデルについてはヤフオクでよく見かけ、3000円から5000円くらいの開始値で出品されており、常々出所を知りたいと思っていたのだが、調べてみると簡単に判ってしまった。定価1800円の品で、店頭販売しているのは広島市の広島平和記念資料館(原爆資料館)の東館3階のミュージアムショップだけのようだ。昨年、資料館に行ったばかりなのだが、情報収集出来ていなくて、買いそびれていた。通販ではプラモデルの制作元である産興株式会社のサイトで購入可能らしい。

 プラモデルの内容に関しては、この組立説明書を見てもらえば(クリックで拡大)、どのようなものか判ると思う。建物本体は茶色、ベース(土台)は黒色のプラスチックで作られており、見栄えを考えるのなら、着色する必要がある。プラモデルファンのものらしきサイトでは"濃い作り"になっていると概ね好評だが、一般人のあたしからすると大雑把かなという気もしないではない。まぁ、プラモデルはすでに30年近く作っていないので、そもそも評価ができる立場にはないのだが。ちなみに接着剤が同梱されておらず、別途、購入が必要で、購入後すぐに作ることはできない。また、着色しないと見れたものではない、ということもあって、実際の組み立てに関しては躊躇しているところだ。

 それにしても、これを作って部屋に飾っておくことが出来るかどうか、とも思う。あまりにも重いモニュメントである。

 広島県産業奨励館はもともとから広島の中心地のシンボルであるような建物らしかったが、被爆、しかも、爆心地に近いところで被爆し、その特異な姿を残すことによって、原爆という忌まわしい人間の歴史のひとつを後世に示すことになった。その佇まいは、はじめからそういった宿命をもってつくられたようにしか思えない。その痛みの中に美しさを保つ姿は何とも表現しかねる。この建造物は奇蹟のようなものだと思う。

|

« 秋も終りですねぇ... | トップページ | W.ユージン・スミス, アイリーン・M. スミス『写真集 水俣 MINAMATA』(82) »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

ドキュメント」カテゴリの記事

ヒロシマ・ナガサキ」カテゴリの記事

コメント

 しかし何でもあるんだねぇ(^_^;)
 買って作る人いるんだろうか?作ってどうするんだ
ろう?飾るのか?
 
 爆心地に近いと言うより投下目標に選ばれたんじゃ
ないの?>産業奨励館

 
 

投稿: きつつき | 2005.10.25 00:04

 あたしも買ってはみたものの、扱いに困っております(苦笑) 外国人にはいいかもしれないと思う。

 実際の原爆投下目標は、奨励館の北(現平和記念公園の北端)にあるT字形という特徴のある相生橋だったようです。

投稿: O-Maru | 2005.10.25 00:17

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 世界遺産 原爆ドーム 1/250モデル:

» 66年「核」の在り方問う 広島、きょう原爆の日 [ローカルニュースの旅]
米国が人類史上初の原爆を市民の頭上にさく裂させてから66年。広島に再び鎮魂の朝が巡り来た。広島市は6日、爆心地そばの中区の平和記念公園で午前8時から、原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)を営む。... [続きを読む]

受信: 2011.08.06 10:00

« 秋も終りですねぇ... | トップページ | W.ユージン・スミス, アイリーン・M. スミス『写真集 水俣 MINAMATA』(82) »