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2005.07.04

うちわと火おこし

 世界大百科事典(第2版)の「うちわ(団扇)」の項を見ると『とくに柿渋を塗った渋うちわは,台所の火あおぎ用として一般に用いられ,〈貧乏神の渋うちわ〉といわれて庶民の台所の代表的な道具にまでなった。』という記述がある。渋団扇というと今ではものめずらしいものになってしまったのだけど、過去にはごく普通のものだったようだ。

 そう云えば、昔、火あおぎを日常的にしていたことがある。小学5年生くらいまで実家の風呂というのは薪をくべて温めるタイプのものだった。さすがに五右衛門風呂ではなく、循環式のものである。ばあさんの家は五右衛門風呂で、浮き板に乗っかって湯船に浸かっていた。

 小学校に上がった頃から、風呂焚きの仕事を親に命じられた。前日の灰の掻き出しが終ると、毎度毎度公認の火遊び大会である。すぐ裏が田ん圃だったので、アオガエルとかそのあたりに幾らでも居る。当然のように火焙りの刑である。そんな訳で、面白くないこともないが、風呂が沸くのに40分はかかって、ずーっと見ている訳もいかず、頻繁に外にまで様子を見に行かないといけないのが面倒だった。また、冬とかは寒くて、火遊びなんてもうどうでもよくって嫌だと云うと「お前の仕事なのだからしろ」と怒られた。一度、近所の友達と一緒にその作業をして、こっ酷く怒られた。風呂焚きと云えど危険なので、絶対、よその子は寄せてはいけないというのだ。風呂焚きは孤独な作業でもあった。

 風呂焚きではもちろん団扇を使っていたが、銀行かどっかから貰ったごくふつーのプラスチックの骨のものだった。渋団扇をまともに手にしたのは今回が初めてである。

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