広島原爆戦災誌 第三巻
-第二編 各説 第二章 広島市内主要官公庁・事業所の被爆状況-
609ページを読了する。
5年前の芸予地震は週末に起ったのだけど、地震の直後、休日出勤していた職員の何人かが帰宅し、このことが首長をひどく怒らせた。職を完うするというのは難しいというひとつの例である。
この巻ではそういった職に纏わることについて述べられているが、大災の中を負傷した体で職場の状況を確認しに行くという有様がごく当たり前のように語られる。取り上げられているものが公に近いものが多いためというのもあるだろうが、戦時中の緊迫した空気というもの少なからず反映されているのだろうかという気もする。生活人という感じではないのだ。阪神大震災の時はどうだったのだろう。状況的には近いはずである。
金庫の性能には驚いた。爆心地からの近距離のものを含め、ほとんどの金庫(銀行等の)が焼失から内蔵物を守っていたようだ。ただ金庫内におかれていた縦横1m深さ1.5mの貯水槽の水が金庫を開くことができるまでの1日間に半分に減っていたということもあったらしく、極限に近い状況にあったのは明らかである。
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