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2005.07.07

とある映画ファンのバイブル1/
『映画術―ヒッチコック・トリュフォー』(81)

 中年ゲーマーさんのところのブログで非常に懐かしい思い入れのある本に触れられていたので、その本について。


映画術―ヒッチコック・トリュフォー

フランソワ トリュフォー (著)
山田 宏一 (翻訳), 蓮實 重彦 (翻訳)
単行本: 384 p ; サイズ(cm): 26 x 19
出版社: 晶文社 ; ISBN: 4794958188
改訂版 (1990/12)


 小学生の頃にTVで観た『鳥』(63)があまりにもショッキングで、それ以降、ファンになってしまったヒッチコック。とにかく巻き込まれを主とする物語りのスタイルは観るものを引きずり込む。最近では彼の作品が放映されることはほとんどなく、若い人だとまったく知らなくてもおかしくないような状態になってしまったが、20~30年前は定番的にTV放送されていて、何時も楽しみにしていたものだった。また、20年程前にはヒッチコックのリバイバルブームがあって、封切舘でも何本かかかっていた。

 映研に入って映画を作るにあたって何か参考になるものが欲しい。本屋を漁ってて見つけたうちの一冊がこの『映画術―ヒッチコック・トリュフォー』だった。映画ヲタで映画評論家になり、そして映画も作ってしまったという永遠の映画少年のトリュフォーがヒッチコックの全作品についてインタビューしたものをまとめたのがこの本なのだが、ヒッチコック映画のエッセンスというようなものが浮彫にされていて、なかなか興味深い。

 例えば<マクガフィン>とヒッチコックが呼ぶものがある。<マクガフィン>は物語の発端となるもの、それはスパイたちが探ろうとしている秘密であるとか、暗号であったりするのだけど、それを詳細に解き明かす必要はないと彼はいう。必要なのはそれをめぐるドキドキハラハラであり、物語の切っ掛けなんてどうでもいいということなのだ。その典型はおそらく『鳥』になるだろう。鳥は何故あのような人間を攻撃するような行動に至ったのかという説明は全くない。

 『サイコ』(60)のシャワーシーンなどをはじめとして、ヒッチコックは見せる編集にもこだわり、その内容にも詳細に触れられる。映画人としては読んでも損がないと云うか、一度は読んでおきたい本である。あたしの持っている本は84年の初版11刷なのだけど、今は改訂版になっているようだ。

 この本は映研時代前半のバイブルで、再び、名著に出合うことになる。その本については後ほど。

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