« 人間の叡智 | トップページ | 不謹慎な話です »

2005.06.23

リピート

 恐怖譚によくあるパターンのひとつ。

 アパートの一人暮らし。深夜になると壁を叩く音が聞える。一日に一回、いつも決まった時刻だ。やがて、その部屋で首を吊って死んだ住民がいたことを知る。死んだのは音の聞こえる時刻で、踏み台を蹴った拍子に勢いで足が壁に当たる音を毎晩聞かされていたらしい。

 ビルを見上げると屋上から人が飛降りるのが見える。飛降りた人は、地面に落ちた瞬間、屋上に戻り、再び、飛降りる。それが延々と繰り返される。

 南国の太平洋戦争の激戦地。日本兵が天を仰ぐとやがて視線を足もとに落す。消え去る姿。再び、日本兵が現れ、天を仰ぐ。これが際限なく繰り返される。

 死の瞬間が繰り返されているのだ。

 何なんだろうなぁ、これって。自殺と戦死で、前者は覚悟されたもので死んだことは理解されている、後者は覚悟されているのか理解されているのかよく判らない。でも、いずれの場合も生に対する執着はあってもおかしくない。生に対する執着があったら、死の瞬間が繰り返されるものなのだろうか。よく判んないけど、怖いというより、悲しいという気分が先に立つ。

|

« 人間の叡智 | トップページ | 不謹慎な話です »

心と体」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/90327/4668450

この記事へのトラックバック一覧です: リピート:

« 人間の叡智 | トップページ | 不謹慎な話です »