夏といえば...
そりゃもう当然、怪談です。今月の中旬に夏の恒例の『新耳袋』(メディアファクトリー)が出るんですが、最終巻の第十夜(巻)となり寂しい限りです。毎巻99話(さすがに100だとよろしくないらしい)の怪奇話が載せられ、いい加減ネタもつきかけて、某巨大掲示板では糞味噌あつかいされておりましたが、それでもあたしは毎年楽しみにしているんですよね。
新耳袋―現代百物語〈第10夜) 木原 浩勝 (著), 中山 市朗 (著) |
中でも恐かった話がオルゴールの話です。
一人暮らしの恩師のところに何十年かぶりに訪ねると古いオルゴールがある。ネジを巻いてオルゴールを鳴らすと天井の方から音がする。フタを閉じ、鳴らすのを止めると天井からの音は聞こえなくなる。再び、音楽を鳴らすと天井からの音は激しくなり、どうも二階で人が走り回っているみたいなのだが、そもそも恩師は一人暮らしで二階には誰もいない。その走る足音は気が狂ったかのように激しくなる。恩師にそのオルゴールを始末するように言って、その家を去るのだけど、暫くして恩師から電話がかかってくる。オルゴールを鳴らすととんでもないことになっているといい、後ろからはあの足音が聞こえる。恐怖にかられて悪いと思いながらも、その電話を途中で切ってしまう。
記憶で書いたのだけど、そんなたわいない話だったんだけど、情景を想像すると妙に恐かった。天井からの音がまず恐い。そして、なぜ狂ったように走らないといけないのか判らないから恐い。それがオルゴールと連動していて、いつでも聞けるから恐い。オルゴールと走り回ること、どういう経緯で結びつくのか想像もつかないから恐い。
まぁ、そう云うのは本当の恐い理由にはなっていないと思う。暇な時にどうして恐いのか考えてみることにしよう。
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