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2005.06.28

奥崎謙三

 奥崎謙三が死んだことを朝刊で知った。『ゆきゆきて、神軍』(87)のあの人だ。


ゆきゆきて、神軍

監督: 原一男
出演: 奥崎謙三


 天皇にパチンコを打ったり、元上官を問い詰めたり、過激に戦争責任を追及した半生だったが、あたしがこの映画を見た時、黙ってついて行く妻・シズミが印象的だった。本当に仕方ない人なんですよ、といった感じに寄り添う姿は奥崎以上にショックを受けた。奥崎の言動は理性で理解できるところにあるが、シズミのものはそうではない。シズミあっての謙三でもあった。

 原一男というと小説家・井上光晴を追った『全身小説家』(94)というもの面白かった。


全身小説家

監督: 原一男
出演: 井上光晴


 映画では現在の井上と当時に、過去の生い立ちも探る。実際の生い立ちは、井上本人の語るものとは随分異なるところがあり、自分の人生さえ、虚構にしてしまっている。作家と云うストーリーテラーは虚構の中に生きているんだと、リアルに知らされる。決して、嘘をついているというわけではない。ただ単に嘘をついているのなら、あんなに人に愛されることはない。自らも自分の作り上げた世界に生き、その世界は愛されるべき世界なのである。

 ちなみに井上光晴の小説って読んだことがないような気がする。井上光晴・原作の黒木和雄『TOMORROW 明日』(88)は観たけど。しかし、映画に出始めて間もなかった佐野史郎が、二枚目役の割にはなんか気持ち悪いという記憶しかなかったりする。

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コメント

天皇やっとバンザイクリフに追悼に行きましたね♪
アメリカ自治区以外も全て行ってほしい!!
他のアジア地域は安全面での不安はあるが
当時の兵士は天皇を崇拝して戦場に行ったんだから・・・それぐらいは覚悟を決めて追悼に行ってほしい。
そうじゃなければ・・・戦死していった先輩方が
浮かばれないと思う。

ポンゲは2回もバンザイクリフに追悼に行って熱い思いを感じました。

ポン男くんの映画研究会復活まだ~???チーン チーン

投稿: pnge | 2005.06.28 12:15

私は奥崎さんに会ったことがあります。なんのはなしをしたのか覚えていませんが、その後銀座に行きまして、デパートの屋上から、ヌード写真の顔を天皇陛下の顔に変更したチラシをまいたのです。ただ悲しいかな、束ねたまま投げたので、後をつけていた刑事にすぐ拾われ、逮捕されてしまいました。

投稿: 中年ゲーマー | 2005.06.28 14:21

>pんげくん
天皇の訪問、どう捉えたらいいのか正直言って判りません。サイパンは確かに悲劇の場所であったわけですが、だから天皇が慰霊にいくべきとは気分的に直結しないんですよ。あたしの中では。
まぁ、現場を見ていないからそう思うのかもしれません。あの戦争では天皇が必ずしも加害者側ではなく、その反対にいたのではないかという気もしているわけです。結果はそんな事は関係ないんですけどね。

>中年ゲーマーさん
 奥崎氏と話をしたことがあるんですか? 何が切っ掛けで話ができたのでしょう。ブログを読んでいて、ただ者ではないと思ってましたが
やはりそうだったんですね。でも、後をつけていた刑事って、公安でしょうねぇ。

投稿: O-Maru | 2005.06.28 23:46

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