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2005.06.30

広島市役所「広島原爆戦災誌」(71)

 この前云ってた本というのが実はこれ。全5巻。保存状態が悪かったのだろうか、シミが目につく。ただし、本文もだいぶんと黄色く変色しているので、紙の酸化自体も進んでいるのだろう。もはや全体的な劣化ということになるが、これはやむを得ない。なにせ、35年近くも前の本になるのだし。

 とは云うものの、本の作りは非常に丁寧である。背の部分は革になっており、表題は金押し。天も金箔仕上げになっている。さらにグラビア部はページごとにパラフィン紙を挟み込んでの製本。想像していたものを遥かに超えた作りだった。広島市は10年掛かりで完成させたこの資料集をいかに大切にしようとしたのかがよく判る。発行部数は2700部。

 各巻の構成は次のようになっている。

  第一巻 第一編 総説 (632p)
  第二巻 第二編 各説 第一章 広島市内各地区の被爆状況 (899p)
  第三巻 第二編 各説 第二章 広島市内主要官公庁・事業所の被爆状況 (609p)
  第四巻 第二編 各説 第三章 広島市内各学校の被爆状況
                第四章 広島市内主要神社・寺院・教会の被爆状況
                第五章 関連市町村の状況 (910p)
  第五巻 資料編 (1009p)

 総4059ページに渡る資料であり、おそらく広島原爆についてはこれ以上の資料は存在しえないと思う。

 この資料については、図版を省いたテキストのみのものであれば、ここから無料でpdfファイル形式で入手できる。一番最初のsensai0.pdfは、すべての巻をひとつにまとめたもの。それ以降は各巻がひとつのファイルという構成になっている。図版がないため、総ページ数は1200ページ程度になっている。各地区の被爆状況などはやはり地図がないと非常に判りづらい。書籍を購入したのはそのためである。

 ここに記述されているのは、原爆という戦争の悲劇であるんだけども、もっとクールな目で見てしまうと人間の行動様式の記録でもある。戦時下の生活が如実に読み取れる。一般市民がどのような日々を送っていたか、また、原爆投下後、暁部隊を始めとする軍隊はどのように市民と接したか。家族との関係、近隣の住民との関係。まだ言葉で表せるようなものを持ってはいないけど、色んなものが見えてくる。

 読んでいるうちにうるうるになってくることも何度もありますが、一度は目を通してみてください。色んなことを見ることになると思います。

 それにしても長崎のことはなかなか知る切っ掛けがない。母方はそもそもが長崎で、そちらの親類というのは死ぬようなことはなかったものの何人かは被爆しているらしいのだけど。

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