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2005.05.28

安全と経済的効率

 小学校に上がったばかりの男の子が学校の帰り、市内の交通量の多い交差点を渡ろうとして、ダンプに巻き込まれて即死した。ダンプの運転手の未確認が原因だった。それから2年くらいして、市街地の多くの交差点の信号機を歩車分離式(斜め移動のできないスクランブル交差点のようなもの)にし、巻き込み事故を防止する処置がとられた。

 信号の変更された交差点では信号の無視をしない限り、歩行者と車との接触事故は事実上なくなったわけで、交通安全面においての効果は絶大といえる。ただし、各々の為に信号を青にするため、必然的に信号の間隔が短くなり、その結果、交通量の多い朝夕は特に渋滞が激しくなった。住所は職場まで2.5km程度の近距離だけど、5分ほど出勤に余計時間がかかるようになった。

 そこで、クレーム。

 市内にある支店で顧客との契約に纏わる打ち合わせがあった。本店から上役が出席するというので、車でJRの駅にその上役を向かえに行ったのだが、信号が短くなっているため5分程度で移動できていたのが20分もかかってしまった。そして15分ほど会議に遅刻してしまった。顧客は機嫌を悪くし、4000万円の契約はご破算になってしまった。

 信号待ちが増えるのは経済効率を著しく落すものである。事実、4000万円を失う結果になっている。地域の発展を願うのなら、早急に信号をもとの状態に戻すべきである。

 この人の場合は、経済的効率というより、自分が移動時間を見誤ったことに対しての単なる逆怨みで、個別的に考慮するに値しないのだけど、広い目で見るといろいろあるんだろうなぁと思う。本来、死傷者になるべき人たちの生産活動、医療費の削減、渋滞によるアイドリング時間の増加による影響等々、複雑に交わる。

 JR西日本の安全運転を目指すためのダイアの改正。これもいろいろ影響するんだろうと思う。

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