是枝裕和『誰も知らない』(04)☆☆★★★
日本映画専門チャンネルでみた。
誰も知らない 監督: 是枝裕和 |
この作品をみて一番最初に感じたのは、戦後イタリアのネオリアリズモのタッチだな、ということ。ネオリアリズモの有名どころというとデ・シーカ『自転車泥棒』(46)やロッセリーニ『無防備都市』(45)。やり切れない現実が感情を交えられることなく描かれる。この手の淡々とした作風というか手法は久しく見ていなかったので、非常に懐かしく感じてしまった。
内容的にはどうなんだろう。88年に実際にあった置き去り事件を基にしているということなんだけど、このようなことって思っている以上にありそうな気がする。戸籍のない子とかも。
これは現在のお話で、99.99%はごく普通の生活をしているから、異様に感じる。戦後なんて戦争孤児がいて、空襲でやられた大都市なんておそらく1000人単位で自分で生きていかなければならない子供たちがいたろうと思うとこれもまた胸が痛む。ま、棄てられたのとは状況が違うから同次元に扱ってはいけないんだろうけど。
YOUの元もとの能天気ぶりが完全にはまってて、違和感がない。ゴンチチのサティ風のやや無機質な音楽と感傷的な音楽。ちょっと目立ってたかも。
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