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2005.04.20

奈良原一高『人間の土地』

 入手困難といわれている絶版の一冊を入手。神田の古書店の通販で定価6,500円を15,750円(+送料500円)で。18年前の初版本ながらほぼ新同品の美本。これにサインがつくとさらに1万円ほど高くなる。


人間の土地

奈良原一高(著)
サイズ : A4判 / 107p
出版 : リブロポート
ISBN : 4-8457-0267-3
(1987.4.1)

(表紙を拡大)


 奈良原さんは結構有名らしいが、残念なことに個人的にはほとんど知らない。この『人間の土地』は早稲田大学修士課程(美術史専攻)中の56年に個展を開いたものを、30年後、初めて写真集にしたというもの。氏にとっての幻のデビュー作が一般に対して陽の目をみることになった。

 二つの島で撮られたもので、ひとつは炭坑の人工島・軍艦島、そしてもう一つは桜島のふもとの熔岩の土地・黒神村。いずれも過酷な環境のなかで人々が生活をしており、その力強い姿がストレートに捉えられる。

 軍艦島に関しては今では廃墟しか見ることができないが、当時の昭和30年代初頭は軍艦島でも賑わいを見せた時期であり、人々の生活をうかがい知ることができる。印象深かったのは軍艦島に降った雪である。雪だるまがつくられている。この島に潮が降っても雪が降るという想像をしてもみなかったので、非常に印象深かった。

 炭坑から戻ってきた坑夫。真っ黒になった顔がにやりと笑う。軍艦島はこういう人たちを支えてきたんだなと、今更のように知る。

 人間がいて、死んだ土地なんてありゃしない。

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