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2005.04.08

雜賀雄二『月の道-海 月光 軍艦島-』


月の道 海・月光・軍艦島

雑賀 雄二 (著)
大型本: 54 p
サイズ(cm): 34
出版社: 新潮社
ISBN: 4103632046
(1993/03)

 絶版になっていた雜賀雄二氏の写真集『月の道』がアマゾンのマーケットプレイスに出品されていたのを見つけたので、すぐさま購入。以前から欲しいと思っていたのだが、綺麗な状態で、更に半額で入手できたので非常に嬉しくて仕方ない。

 本のタイトルにあるように月の光の下で撮影された写真集。月夜の明るい日に30分くらいの長時間露光で、島を守る岸壁のうえから軍艦島を周回するように撮りためたもの。雜賀氏のサイトの中の「月の道」から、写真集収録の54枚中22枚をみることができます。

 この撮影中に雜賀氏はおそらくNHKの取材を受けているはずである。というのは10数年前に、島に一人で寝泊まりして、島の写真を撮っている写真家のNHK特集を見た覚えがあるのだ。

 そのなかで印象深かったのが夜の話。やはり、いてはいけないものを随分と見聞きしてしまったということが語られていた。『月の道』の後書きでも同じようなことがそれとはなく書かれていた。この島は強制労働が行われた場所でもあり、忌まわしいことも少なからずあった。

 太陽光で撮られたものとは違い、明暗が明確となり非常に物静かな佇まいを見せる。岸壁の陸地側は凍りついた死の様相を表す一方、海は生温く生きているように見える。このコントラストは何とも言えない。英語タイトルはBorderland、境界地。この写真集の表扉では「亡き父と母、そして急逝した妹へ」と亡き者に写真集が奉げられているが、それを素直に受け入れることができる内容だ。

 生と死が共にある場所、それが軍艦島である。

 この写真集については現在、絶版になっているため、復刊への動きがいくつかある。詳しくは、雜賀氏のサイトの『月の道』復刊リクエスト、そして、復刊ドットコムをご覧ください。

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