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2005年4月の56件の記事

2005.04.30

三菱鉱業セメント株式会社『高島炭礦史』

 軍艦島に纏わる資料を新しく入手。

 昭和61年11月の高島炭砿閉山を機に2年間かけて高島炭砿史編纂委員会が編纂した『高島炭礦史(高島炭砿史)』。関係者のみに配布されたもので、一般に向けての市販は行われていない。事実、古書店より購入した書籍には三菱鉱業セメント会社(現三菱マテリアル)による謹呈の挨拶文がはさまれていた。古書としての相場が25,000~33,000円を15,700円(+送料400円)で購入。コピー本で12,000円という値がついているところもある。


高島炭礦史

編集 高島炭砿史編纂委員会
単行本: 535 p ; サイズ: B5
発行 三菱鉱業セメント株式会社
1989.1.31(非売品)


 取り扱われている年代は幕末から昭和61年までで、三菱は100年間あまりこの鉱山(高島・二子・端島の長崎沖炭砿)を経営している。日本史をまったく学校で教わっていなかったので、財閥の三菱が大きく炭砿に関わっているとはまず知らなかった。

 まださわりを読んだくらいなのだけども、組織の近代化ということで明治14年に勤務時間が9時から5時までに定められ、私用で事務所を離れることが禁じられる。出勤簿が設けられる等の記述もあり、非常に興味深かった。

 社史とはいえ、100年あまりの歴史を500ページ程度に纏めるというのはなかなか難しいことではないかと思う。

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 後任者への引継ぎのために、ただいま出勤中。年次業務がほとんどで一気に引継ぎできるような感じではない。この先、1年間、大きな処理があるたびに一緒に作業をすることになりそう。

 それはさておき、とにかく暑くなっているので、窓を全開にして仕事をしていると鳩が事務所に飛び込んできた。鳩は大きめの鳥だからびっくりする。

 以前、まだ実家にいた頃、布団に入って寝ていると同じように鳩が部屋に飛び込んできたことがあった。羽音が大きい。鳩と判っているものの、ヒチコックの『鳥』をみていたからというわけでもないけど、恐ろしくて、窓から出て行くまで布団をかぶっていた。くちばしで突かれなくても、足で掴みかかられただけでも怪我をしそう。

 ブラインドを上げて出やすくして待っていると5分ほどで自分で出て行った。

 鳥が家に入ってくるのはいい、という話を聞いたことがある。だから、ちょっとばかり怖くても、あんまり追い出そうという気にはならない。

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2005.04.29

刑事コロンボ コンプリートDVD-BOX その後

 刑事コロンボ コンプリートDVD-BOXを買って、ひと月ちょっと。観たのは3巻分6話のみです。いつになったら、全話観ることになるんでしょう(苦笑)

 こういう積ん読っていうのも決して悪いとは思わず、そして嫌いでもないんですけどね。勿体ない症の人にはダメでしょうねぇ。

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食べ放題・ステーキの巻

 職場の歓送迎会があった。オーストラリア産のステーキの食べ放題。味は洋風・和風・塩コショウの三味。ひととおり3枚食ったのだけど、そんなに肉ばかり食えたもんじゃない。こないだの会はしゃぶしゃぶの食い放題だったけども、これも途中で嫌になった。遥か昔、蟹づくしというひたすら蟹料理が出るコースを経験したことがあるけど、蟹の握りがあまりにも強烈で3つ食ったら、もううんざりしてしまった。

 程々か物足りないくらいが、やはりステキ。

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2005.04.28

銀製しおり

 日に最低でも1時間は行っている読書。寝床に入って、寝入るまでの至福の時間は必ず本を読むことにしている。必ずしも新しいものばかりではなく、以前読んだものを 本棚から選ぶことの方が多いのだけども、至福の対象がなかなか決まらず、15分くらい選択に迷うこともある。何れにせよ、就寝前の読書は絶対欠かせないものである。

 生きがいのひとつともいえるような読書なもので、ここで使う道具、つまり、しおりなのだけども、いいものを使いたいということで見つけ出したのがこれ。シルバーオオノという銀製品を取り扱っている店がつくっているオリジナルの銀製しおりである。

 銀製品というのはそもそも好きで、Zippo(タバコは吸わなくても着火できる状態にして何時も持ち歩いています)はもとより、マネークリップだのポケットナイフだの銀製品を選んで愛用している。使うにつれて味が出てくる材質なので、使い倒すということが楽しみになってくるのだ。

 商品としては2種。どちらかと選択しづらいものがあったし、それほど高価でもないので個人的には両方購入して使っている。

 使い方は頭を出して挿むだけなので、非常にシンプルでよい。愛着の持てるステーショナリのひとつだと思う。

 ただ問題なのは、厚みがあるので、挿んだまま本を本棚にしまう、何冊も積み重ねる等の圧力をかけると本に負担がかかって明らかに傷むということ。あくまでも読みさしのもののみに対しての利用になる。

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1冊900,000円

 先日、新装版を購入した川田喜久治『地図』なんですが、この1965年のオリジナルがネットで販売されているのを見つけました。

 心堂書店というお店のリストにあるんですが、900,000円だそうです。オリジナルの100倍以上の価格になっているんでしょうね。

 こういうのを著者本人が見てどう思うのだろう。誇らしいと思うのか、ちょっと淋しいと思うのか、世も末だと思うのか。複雑な心境に違いない。

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2005.04.27

板につくということと着物のお話

 鬼海弘雄の『PERSONA』にはいわゆる奇っ怪な人物が多く登場する。鬼海弘雄写真集『PERSONA』Photogalleryにそのサンプルがある。

 011「日にちを間違え、花火大会だと思って来てしまったという男」、この人はこの写真だけでなく、他にも6枚ほど写真が掲載されている。オカマさんかどうなのか知らないけど、女装のものが多い。正直言って、男性としてもかなりイカツイ顔。025「仕事が終わると、いつも着物だというトラック運転手」、着物姿がなんとも言えず凛々しい。

 奇異だけども奇異だけで終らせない何かを持っている。こういう人たちを「板についた」と言うんじゃないだろうかと思う。

 他人がどう思うと知ったこっちゃない、「これがあたしなんだよ」という別に粋がりもしない自負。もうひと言で言ってしまうけど『カッコいい』。

 しかし、浅草という土地柄か、写真集をめくってて着物姿が目につきます。特に男性。うちの親父が着物を着てたのって、正月くらいだったけど、すでに昭和40年代のお話。母親はその頃、冬は温かいからと普通に着物を着てましたけど、今は全然です。

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時間

 以前、職場でアルバイトで働いていた女の子なのだけど、口癖が「ああ~っ、暇っ」だった。大学を出て、就職先が見つからず、とりあえず、アルバイトをしていたようだ。ちなみに、高校・大学ともあたしの後輩にあたる。べっぴんさんでカレシもいるとのことだったけど、高校からつきあってて、すでに8年。ふたりとも収入が少なくて、結婚という話にもならない。全てが退屈で退屈で仕方なく、「死んでしまった方がマシ」といつも言っていた。

 こちらとくると本当に時間が欲しい。かといって、忙がしいという訳ではない。 いろいろしたいことがあるのに24時間しかないというのが辛い。翌日の仕事に差し支えが出るから、泣く泣く3時過ぎには床に就く。

 何をやっているんだと言われると非常に困るんだけど、そぞろにしたいことが出てくる。

 なんて言っていると、時間の配分が悪いのかもしれないとふと思う。万人に唯一共通して与えられているのは、一日は24時間という時間。時間がないというのはある意味、暇で仕方がない、というのと同類なのかも知れないと、今、思った。もう少し考え直してみよう。

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2005.04.26

ライブドアの悪趣味

 ライブドアのコンテンツは使ったことがない。いや、一度だけ、ギガメーラーというヤツの話をどこかで聞いて、登録したことがあるんだけど、使えたもんじゃなくって結局放置していた。ということで、http://www.livedoor.com/を開いたのは数度である。

 今日、http://www.livedoor.com/を見て「堀江貴文ブログ」だの「広報のお仕事ブログ」だのがあるのを知った。経営者やら広報担当が太々しく表舞台に出てきてどうするんだ。会社組織として非常に低いレベルにあるように思える。

 正直言って虫酸が走る。ここのサイトはもう見ない。

 それにしてもTPOもわきまえられない馬鹿ガキに2ヶ月も振り回されるなよな>日本

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鉄道事故

 お昼のNHKニュースで知ったのだけど(うちの職場はNHKのお昼のラジオニュースが情報の共有ということで館内放送されてます)、夜のニュースを見ると想像以上の事故だった。

 JRの安全神話が崩壊したなんて言っているけど、事故が起こらない方がおかしいと思う。あたしの住んでいるような田舎だと電車の便数なんて本当に少ないんだけど、それでも職場のすぐ前で路面電車が暴走、追突事故を起こすくらいだから、数分に1便なんていう過密ダイアで何年も事故が起こらない方が奇蹟に近い。やばいことって、実はしょっちゅう起ってんじゃないかと思う。

 電車で通勤している人は死を考えながら通勤しているのかな? 原チャリで渋滞の中を縫うようにして通勤しているあたしなんか、いつも死を意識してます。ダンプに煽られて転倒でもすると、そのまま頭を持っていかれますからねぇ。それで死んじゃうの、普通だし。

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2005.04.25

白髪

 頭の髪の方は「白髪染めしているんですか?」と尋ねられるくらい白髪が全くないのだけども、どうやら鼻毛の方には白髪が何本もあるようだ。

 煙草をとめてもう半年。鼻毛を切る間隔もだいぶん長くなった。

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れんげ畑

 郊外で車を走らせていると、ほんの一角の小さな田んぼに一面レンゲ草が花を咲かせていた。

 わたしらが子供の頃はごく普通の光景で、まだまだ多く残っていた田んぼはこの時期、ほとんどレンゲ草で被われていたものだ。小学1、2年の頃、学校の帰りは、ある女の子と何時も一緒で、帰り道にある田んぼに入ってれんげの指輪だの首飾りだのをつくって道草食っていたのを思い出す。今でも付き合いのある悪友は、田んぼのれんげを山ほどむしり取ってきて、これは食べられるのだといって、塩をふりかけて貪り食ってみせた。試しに自分も食ってみたのだが、パラパラするだけで旨いものではなかった。

 とにかく田んぼは遊び場のひとつで、冬の稲を刈り取られた後は凧揚げの場所、夏の水の張られている時はおたまじゃくしだのカエルを捕まえて遊んでいた。カブトエビなんかもいたが、あれは正直いって気持ち悪かった。今となって見てみると「エイリアン」もどきじゃないか。カエルはもちろん何度も爆竹の犠牲です。

 町の風景で変ったのは、家が多くなったことではなく、田んぼがなくなったことだと思う。

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2005.04.24

写真の心地よさ

 中年ゲーマーさんのblogで、「タレントと裸以外の」普通の写真集は売れないという話が紹介されていた。現状はそういう感じになっちゃっているんですねぇ...

 実はあたしも写真集を買う機会が減っている。まぁ、これは書店に立ち寄ることが少なくなったせいでもある。

 昨日、紀伊國屋から書籍を送ってもらった際、商品が紀伊國屋の袋に入ってて、随分懐かしいものを見たという気になった。実は紀伊國屋は市内にもあり、しかも職場からは数百メートルという近さだ。しかし、すでにここ5年くらいは行ってない。書店にいっても本の回転が早く、新刊でないと入手が困難であること。ネットの書店であれば24時間営業であり、クレジットカード&割引が使え、1,500円以上の購入であれば送料が無料となるところも多く、書店で買うより有利となる場合が多い。そうそう、BOOK OFFとかの古本屋はよく使います。1000円札一枚で抱えるほどの本が買えるのは、本当に幸せであります。

 写真集はとにかく現物を見ないと良いか悪いか判らない。一方、何とはなく手にとって、気に入り、そして高価であるにもかかわらず衝動買いしてしまうのも写真集に多い。

 写真集を読むのも慣れが必要かなと思う。写真はものが写っている訳だけども、そのものを見れば終りということはまずない。、「タレントと裸」ならもしかするとそれで終るかもしれないけど。実は小説を読む以上に行間が読める力が必要とされていると思う。アサヒカメラで連載されていた頃から愛読していた大辻清司『写真ノート』はそれらのことについて多くを語っている。見る=読む、では決してないのだ。

 通常の本もいったん買うと4、5回は読み直すけども、写真集はその何十倍となる。買った当初、目を通すのはせいぜい小一時間くらい。これで終りとなると随分高くつくんだけども、その先、10年20年と云うお付き合いになるから、決して高いわけではない。カミさんに言わせると、図書館で借りれ、らしいのだけども、そんなことをすると二目と出会えない可能性もある。少しでも気に入った写真集なら絶対に購入すべき。

 このblogは実はリピーターが少なく、検索にヒットして訪れる人の方が遥かに多い(苦笑) 18日からの1週間に関していえば、「刑事コロンボDVD」(40件)「井上和香」(20件)についで「川田喜久治『地図』」(15件)となっており、写真集も作品によってはかなり注目されているようだ。

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こうの史代/やわらかな空気

 鬼海弘雄の『PERSONA』を紀伊國屋に発注するにあたって、一緒に注文したのがこうの史代『ひっぴら帳(ノート)1』。紀伊國屋の場合、1万円を超えると送料・代引手数料が無料になると云うことで、調整のために同時に購入をした。


ぴっぴら帳 1

こうの 史代 (著)
コミック: 120 p
出版社: 双葉社 ; ISBN: 4575937002
(2000/07)


 こうの史代というと昨年秋に出した『夕凪の街 桜の国』がかなりヒットしたようで、某掲示板で評判を聞きつけ、出版の1ヶ月後くらいには読んでいた。


夕凪の街 桜の国

こうの 史代 (著)
単行本: 103 p ; サイズ(cm): 21
出版社: 双葉社 ; ISBN: 4575297445
(2004/10)


 読んでいない人もいると思うから詳細は書かないけども、重たくもあり爽やかでもある作品である。非常にテーマ性を持った作品なのだが、そのテーマについての最終判断はすべて読者に委ねているようなつくりでもある。癖のない作品だから、読み直すたびに新しい発見、つまり、自分のなかの解釈なりの変化を見い出すことができると思う。

 『夕凪の街 桜の国』については映画化されるという話がすでに出ているらしいが、どうなのかなぁ。個人的には期待しない。たぶんこの本を読むとその気持ちがよく判ると思う。

 中編『夕凪の街 桜の国』を読んでから、4コマ漫画の『ぴっぴら帳』を読むことになったのだけど、空気の柔らかいとらえ方が非常に心地よい。真剣になるでもなく、斜に構えるのでもない。とにかく、ほんわりとした持ち味。『夕凪の街 桜の国』が更なる奥行きを持つことができたのは、テーマの重たさとこの雰囲気の絶妙なバランスのうえに立っているからに違いない。

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2005.04.23

ポール牧

 ホール牧が投身自殺したことを朝刊で知った。お笑い芸人が特にこういう最期をむかえるというのは非常に辛い。享年63歳というのも意外だった。芸歴が長い為か、もっと年配だったと思っていた。そういえばJAL123便でなくなった坂本九が、まだ43歳だったのも意外だった。

 ポール牧と云えば故松田優作監督の『ア・ホーマンス』のヤクザの親分が印象深い。口先だけの甲高い早口で喋り、いきなり剃刀で切りつけてくるというような役柄で、妙に恐ろしかった。

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鬼海弘雄『PERSONA(ペルソナ)』

 本日、到着。先週号のAERAの現代の肖像『鬼海弘雄-人生の普遍を撮るという男』(神田憲行・文)を読んで、しっかり衝動買いさせて頂きました(苦笑)

 AERAの記事の最文末「『ペルソナ』は今年になって完売した。」を「完成した」と何故だか読み違いし(今日、カミさんと写真集を眺めた後、記事を読ませるとカミさんも同じ読み違いをしていた(苦笑)、普通に通販を探しまくったあたし。結局、ここの記事にあるように注文できたのですが。本日現在、紀伊國屋のサイトで久留米店より入手可能です。(あたしが注文をかけた時には福岡本店と久留米店の両店に在庫があり、久留米店に注文すると「カバーに皺が入ったものしかないため、取り寄せに時間をください」ということで3日ほど待たされ、今日サイトを見ると福岡本店の在庫がなくなっているということから、久留米店のものは美本でない可能性があります。いずれにせよ通販では入手が難しくなっていると思われるので、お早めに)


PERSONA

鬼海 弘雄 (著)
大型本: 180 p ; サイズ(cm): 33
出版社: 草思社 ; ISBN: 4794212402
(2003/09/19)

 記事でも編集担当者が最高のクオリティを目指したとあるように、写真集としての出来は非常によい。まず、輸送用ケースがあり(1万円程度の書籍で輸送用ケースは見たことない。書籍で見たことあるのは一冊3万弱の『バラ図譜』くらい)、さらにページの割には重い。かなりの上質の紙を使っていると思われる。さらにオリジナルプリントそのままの大きさでトリプルトーン(モノクロ3色刷り)で刷られているらしい。

 166人の市井の人。鬼海氏が30年間に渡って東京浅草の浅草寺境内で撮りためたポートレートの集大成である。彼らは特にポーズや笑顔を見せるわけでもなく、ただ各々のごく普通に佇んでいる様が撮られている。どうも現在もこの浅草寺での撮影は続けられているらしく、AERAで紹介されたその撮影風景を見た限りでは、鬼海氏が自己紹介をした後、ほとんど会話をせずに手早く撮影を清ませるということで、おそらく一人につき数分のものだろうと思われる。被写体にとっては不意を突かれた撮影といった方がよいだろう。

 ただその場での撮影にしては堂に入っている。30年間の賜物なのかもしれない。写真館で時間をかけて撮ってもらうポートレートより遥かに奥行きがあるのだ。

 特徴のある人が多い。まぁ、そういう人たちだから、何かを漂わせている可能性も高い。この写真集に納められた濃い人たち。おそらく普通の人以上のものを抱えて来たに違いない。

 肖像というと田舎の実家に飾ってあった曾祖父母の写真が思い出される。鴨居に飾られた写真で、非常にコクのある顔をしていると見とれていたものだった。

 『ペルソナ』は確かにそれはそれで高く評価されるべきものであるが、この作品が特に取り上げられるのは今の人間があまりにも稀薄だからとも言えるのではないかと思う。

 写真集の解説を『灰とダイアモンド』のアンジェイ・ワイダも書いているのにびっくりした。彼も真摯に人の人生をみつめる人でこのふたりにはどこか共通するところがある。

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制服フェチ

 ひざがわりさんのblogのCMにずらりと並ぶ制服を読んでいて、制服に欲情を感じないひとがいるというのはちょっとびっくりした。

 制服に対する欲情というと内田裕也が冴えない警官を演じる『十階のモスキート』での、同僚婦警を制服姿で姦すというのが顕著な例だと思う。


十階のモスキート

監督: 崔洋一
出演: 内田裕也, アン・ルイス


 制服はあくまでも公のものであり、そこには私(わたくし)はない。私生活(もちろん性を含めて)を隠蔽するべきものとして制服は存在する。それゆえ、その向こうに私(わたくし)を垣間見ようとする意識が働いてしまう。制服はもともとエロチックなモノなのである。

 男だけが制服にこだわるのかというとそうでもないらしい。

 あたしがまだおにいさんだった頃、短大を出たばかりの子とふたりで茶店に入っていた。

 すぐ側をブレザー姿の女の子が通ったのだけど、それは出身短大の現役学生でそのブレザーというのは制服らしかった。そこで彼女、曰く、「今度、あの制服着てこようか? そして、... いいと思わない?」

 結局、そういうことには至らなかったのだけど(笑)、制服に対して掟破りをしたくなるのは男も女も同じらしいのだが、これは極端な例かしらん。ちなみにあたしはいまだ制服を脱がしたことないんですな。

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パラフィン紙(グラシン紙)

 先日購入した奈良原一高『人間の土地』は、通常のカバーの上にパラフィン紙(グラシン紙)によるカバーもなされていた。古書店の仕業である。

 パラフィン紙というと一昔前の岩波文庫が紙カバーでなくって、これを使用しており、特徴的だった。あと、みすず書房の本も紙カバーのうえにパラフィン紙がかけられていることが多かったように思う。

 ここ一ヶ月は写真集の類を多く購入したのだけども、この写真集というのが大判が多く扱いが面倒である。とにかく膝上において眺めていたりするとカバーの端が捲れてしまったり、普通に本棚に入れているだけでも日に焼けて色が変ってしまっていたりする。ごく普通の書籍なら気にしないところだが、さすがに写真集云うだけあって、見た目も気になってしまうのである。

 ということで、いまさら手遅れなものも多々あるのだけども、BOOKばざーるweb店でさっそくグラシン紙(パラフィン紙)を仕入れてみた。

 パラフィン紙を探していたのだけど、グラシン紙しか見つからなかったというのが、実際の所だけども、パラフィン紙とグラシン紙との違いというのは、グラシン紙にパラフィン(蝋)を染み込ませたものがパラフィン紙という事らしい。パラフィン紙は蝋ということで、防湿とかに長けているらしいけど、書物ではとにかく汚れ難い、焼け難いといのが第一だから、グラシン紙でも十分であるように思う。

 注文はとりあえず50枚。すべての書籍にカバーするつもりはなく、写真集をはじめとする特に保存状態に注意を払わないといけないのは数十冊なので、おそらく、この先、10年くらいは使えそう。グラシン判倍(762mm×1016mm)原紙は新聞紙2枚分のひと回り小さいくらいの大きさで、A4版なら4枚、B4判なら2枚という感じでとれる。

 カバをーして書籍を保護し易くなったのはいいんだけど、根本的な問題が... 今回は何も考えずに五月雨式に買ったので、保管スペースが全くない状態。本棚の一段分の半分は十分に必要なのに隙きはまったくなく、床に平積み。実はすでに廃刊になった岩波の月刊誌『よむ』の創刊号から最終号までの40冊を古書店に取り置きしてもらっていたりしてるし(キャンセルすべきかなぁ...)、本格的な書庫が欲しくて仕方ない。

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2005.04.22

桃井かおりと大竹しのぶ

 先日、TV放映されていた『幸福の黄色いハンカチ』を見てて、カミさんと桃井かおりは今、幾つだという話になった。

 CMで肌を露出してたりしているのを見ると、どう見ても40代半ばだろうとカミさんは主張する。『黄色いハンカチ』は77年作で、すでに28年前。この映画で桃井はどう見ても20歳は過ぎているから、50歳過ぎててもおかしくはない。しかし、カミさんはちっとも納得してくれない。

 ネットで調べてみると、桃井かおりは1952年4月8日生まれ。53歳だった。立派に50歳を過ぎていた。

 そう言われてみると、確かに彼女はそんな歳には見えない。あのアンニュイさというのが、若い頃から妙な落着きを醸し出していて、それで老けを感じさせないのかもしれない。若い頃のあのアンニュイさは、多少の苛立ちを感じさせたこともあったが、今となっては板についたというか、凛としたものを向こうに見せて呉れたりするので、うまく調和してて心地よい。

 天才女優と言われた大竹しのぶもアンニュイさを持っているが、こちらはどうにもこうにも好きになれない。ただ単にトロいだけという印象しかない。ただ、ショウケンと共演したドラマ『ガラスの知恵の輪』の大竹はよかった。

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2005.04.21

軍艦島での生活

 軍艦島でももちろん日常の生活があった。そのごく普通な日常をうかがい知ることができるのが次の書籍。


軍艦島海上産業都市に住む-水辺の生活誌

阿久井 喜孝 (著), 伊藤 千行
単行本: 93 p ; サイズ(cm): 26 x 19
出版社: 岩波書店 ; ISBN: 400008495X ; (2004/10/14)


 文章は『軍艦島 実測調査資料』の編集の阿久井喜孝氏、写真は軍艦島に住んでいたアマチュアカメラマン伊藤千行氏による。初版は95年のものだがしばらく絶版になっていて、昨年ようやく重刷された。


 本日、新しく入手したものは次の2冊。


端島(軍艦島)

長崎県高島町教育委員会 編
単行本: 240 p ; サイズ: A4
出版: 長崎県高島町
(2004.1.15)




軍艦島

軍艦島を世界遺産にする会
単行本: 64 p ; サイズ: A4
出版: (有)軍艦島
(2004.8.1)


 福岡県の古本屋をネット検索して見つけた。

 『端島(軍艦島)』は、軍艦島を所有する高島町が長崎市との合併を前に軍艦島閉山30周年記念として作成したもの。町民には2,000円、町民外には4,000円で販売されたらしいが、流通が判らず、古書店にてようやく入手できた。3,000円。旧住民から写真を集めたということでスナップ写真が多いけども、中にはそうでないものもある。『軍艦島海上産業都市に住む』の伊藤千行氏の写真が多く見受けられる。無人となった軍艦島の写真は一切ない。在りし日のものだけとなっている。

 『軍艦島』は廃墟となった様子を示した後に、賑やかだった頃の写真が示される。ページ数が少ないので、年表や「軍艦島を世界遺産にする会」の活動についての記述が目につく。購入価格2,000円。


 いずれの写真集も昭和30・40年代のものが主になってて、非常に懐かしい光景が繰り広げられている。

 校庭にあふれる子供たち。皆、屈託のない表情をしている。カミさんが「子供が多いね」と感想を漏らしたけど、当時はとにかく子供が多く、そして、家にこもらずに外で遊んでいたもんだ。町の風景にも子供が目について不思議ではない。
 『端島(軍艦島)』には新聞記事のスクラップが何枚か掲載されている。昭和37年1月の記事では「全世帯にテレビ」とあり、自然環境が悪い一方、裕福な面もあることが報道されている。


 何がともあれ、子供のいる光景を見ると安心する。子供の見られない日常の生活は見られたものではない。 



 軍艦島関連の本はこれで主だったものは揃ったような気がする。ここ数ヶ月のテンポの早かったこと。

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2005.04.20

コンプリート クーロンズ・ゲート



コンプリート クーロンズ・ゲート

ソニー・マガジンズ
ISBN: 4789790657
(1997/03)


 一応、入手してしまいました。

 攻略を見るとなかなか難しいというか、面倒そう。いわゆるダンジョン(迷路)で一定のイベントをこなしてストーリーを進めるという、フラグ立てがゲームのメインになるんだけど、何をなすとよいかというのを記述されていても気が遠くなる。

 ちなみにこの本によると現在の進捗は10%らしい(苦笑) また、別のゲーム、グランツーリスモ4(GT4)に至っては2.5%。ゲームを終らせられるんだろうかねぇ...

 この本、7年前のゲームになるんでさすがに絶版。ヤフオクで定価1,550円が1,500円(+送料340円)でございました。

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奈良原一高『人間の土地』

 入手困難といわれている絶版の一冊を入手。神田の古書店の通販で定価6,500円を15,750円(+送料500円)で。18年前の初版本ながらほぼ新同品の美本。これにサインがつくとさらに1万円ほど高くなる。


人間の土地

奈良原一高(著)
サイズ : A4判 / 107p
出版 : リブロポート
ISBN : 4-8457-0267-3
(1987.4.1)

(表紙を拡大)


 奈良原さんは結構有名らしいが、残念なことに個人的にはほとんど知らない。この『人間の土地』は早稲田大学修士課程(美術史専攻)中の56年に個展を開いたものを、30年後、初めて写真集にしたというもの。氏にとっての幻のデビュー作が一般に対して陽の目をみることになった。

 二つの島で撮られたもので、ひとつは炭坑の人工島・軍艦島、そしてもう一つは桜島のふもとの熔岩の土地・黒神村。いずれも過酷な環境のなかで人々が生活をしており、その力強い姿がストレートに捉えられる。

 軍艦島に関しては今では廃墟しか見ることができないが、当時の昭和30年代初頭は軍艦島でも賑わいを見せた時期であり、人々の生活をうかがい知ることができる。印象深かったのは軍艦島に降った雪である。雪だるまがつくられている。この島に潮が降っても雪が降るという想像をしてもみなかったので、非常に印象深かった。

 炭坑から戻ってきた坑夫。真っ黒になった顔がにやりと笑う。軍艦島はこういう人たちを支えてきたんだなと、今更のように知る。

 人間がいて、死んだ土地なんてありゃしない。

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福岡の地震

 お昼休みで詳細は分からないんだけども、今朝、福岡で地震があったとの事を昼のNHKニュースで知った。朝は遅起きだからTVなんか見ないし、知らなかった。

 実は昨晩、福岡の紀伊國屋の店舗に書籍の発注をかけていたんだけど、いまだ音沙汰ないし、しばらく無視されそうな気配。

 紀伊國屋のWebは新宿の通販センターに在庫がなくても、各店舗の在庫をチェックして、直接発注できるようになっているから最後の手段として用いることが出来る。その書籍、ネットの書店で軒並み絶版取り扱い不可になっていたんだけど、ここだけ店頭在庫ありになってたんだよね。

 もう一つ別の福岡県内の店に発注してたんだけど、ここは昨日から音沙汰なし。普通に流通してない本を見つけられて、とても喜んでいたところなのに。

 とにもかくにも被害が少なくありますように。そして、自治体の職員の皆さん、大変でしょうが、よろしくお願いいたします。



といっていたら、お昼が終わる頃に2件とも無事、連絡が入りました。ご苦労様です。

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2005.04.19

雜賀雄二『軍艦島-棄てられた島の風景』

 本日、新しく入手した写真集。


軍艦島 ―棄てられた島の風景

洲之内 徹 (著), 雑賀 雄二
大型本: 131 p サイズ(cm): 26
出版社: 新潮社
ISBN: 4103632011 (1986/08)


 アマゾンのマーケットプレイスで2,500円で出品されたものに予約が引っかかり、確約していた。初版でなく2刷ではあったが、絶版ものでヤフオクでは最低でも1万はする写真集、しかも、かなり綺麗な状態で定価の半額(初版4,000円 2刷4,200円 3刷4,800円)ほどで入手できたので、これまた『月の道』に続きラッキーな状態が続いている。

 復刊というか新装版の『軍艦島-眠りのなかの覚醒』とは印象が大分異なる。まず旧版の方がひとまわり大型であり(新版239X189mm・旧版250X255mm)、当然、写真が大きい。本のサイズも著者の意図があるため、一概には言えないけども、旧版程度の大きさがあった方が鑑賞しやすい。ただ旧版と新版で同じ写真を見比べると、小ぶりな新版の方がディテールがはっきりしているように見える。
 
 そして、本の開き方が新版が左なのに対して旧版は右。写真集としては右開きの旧版が特異かもしれない。右開きの旧版の場合、テキストは縦書きで、新版は横書き。個人的には文章は縦書きの方が好き。横書きの文章を読んでも、字面は理解出来ても、何故か完全に頭に入った気がしないのだ。

 収録されている写真の9割は同じもの。ただ配列が変えられ、キーとなる位置の写真が差し替えられている。

 写真集は写真集としての必然生を持つ。確かに写真としてはオリジナルであるプリントがもっとも忠実に再現されていると考えてもよいのだが、写真がその一枚で存在するのであれば、必ずしも写真集にする必要はない。ポストカードなりポスターにして単品で売り出せばよいのだ。そうではなくて、写真集にするのはそうする必然性を持っているからだ。

 写真の順番を変えるだけで全体が持っている印象が変った。特に最後の一枚が差し替えられたことにより、完全に写真集の方向性が変った。

 最後の一枚は遠景に見る軍艦島のシルエット姿である。旧版のその前に置かれる写真は、波が高く打ちつけている軍艦島の岸壁。そして、新版は、うす暗い軍艦島のアパートの一室からか、窓の向こうに大海原を見据えている、開放的な写真である。

 旧版は内に籠った有様が、新版では外に解き放とうとする力強さが感じられる。



 今日も新しく写真集を注文してしまいました(苦笑) ひとつはこれまた20年近く前の伝説の写真集で、ネットの古本屋で発見したので発注。定価の2.2倍というプレミア付きになってしまいました。もう2冊は参考的なもの。基本的に写真集という感じのものではないかも。そして、もう一冊。アマゾンでは絶版になっていましたが、bk1では取り寄せ扱いになっていたのでダメもとで発注してます。これは2年前に発行された新品です。

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2005.04.18

澤田知子『ID400』

 遅ればせながら、本日、購入。

 『ID400』のぱっと見の印象。「大友克洋の漫画の日本人の顔」の羅列。これは単なる外見の印象なんだけどね。


ID400

澤田 知子 (著)
単行本: 416 p
サイズ(cm): 16
出版社: 青幻舎
ISBN: 4861520126
(2004/04)


 街中の証明写真機で衣装、メーク、表情を変え400人の自分を撮影したセルフポートレート。澤田知子は写真家でもあり被写体でもある。

 副題が「Relation between inside and outside」(内面と外見の関係)。

 適当に何枚かを引き抜いて見てみると随分違った印象のものもあるが、それを400枚並べてみるとどうなるのか。結局、代わり映えしない一人の人間があたし的には見えてきてしまう(あたし的、というのはカミさんはどうやらそういう印象を持っていなかったから)。これは顔の特徴に限った話ではあるんだけども、外見が幾ら変ろうともその内面は変らないんじゃないかということを指し示しているような気もする。

 著者は続けて「OMIAI」を出す。


OMIAI

澤田 知子 (著)
大型本: 72 p
サイズ(cm): 31
出版社: 青幻舎
ISBN: 4861520312
(2005/02)


手にとったり、購入もしていないから本来は紹介したくないのだが、「ID400」の延長にあるお見合い写真30枚ということで、著者がこの「Relation between inside and outside」(内面と外見の関係)に今だこだわっており、どういった解釈を「ID400」に下しているのか、この「OMIAI」を見てみないと判らないような気もする。意外とあたしとは違った印象を持っているのではないかとも思う。

 「ID400」のような単純で明解なものは独り歩きを期待されている場合もある。ひとりの人物による400面相をただ単純に楽しみながら、そして、そんなに真剣にならなくてもいいから、自分の持った印象を整理してみるのもいいと思う。

 ちなみに1ページに4枚組みの証明写真一式という構成で、それが400ページ、厚さこそ2cm強あるものの、大きさは葉書大程度。あまりの小ささにびっくりしたのだけども、元が証明写真なので当然な大きさである。

 澤田知子のサイトはこちら

 女性のセルフポートレートというとシンディー・シャーマンが有名だけど、趣きはまったく違う。シンディーの写真は怖いものが多かったな。

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アマゾンのマーケットプレイス

 アマゾンのマーケットプレイスをよく使う。新品と出品ものを同時に扱うあのシステムは買い手側からすると非常に効率がよく有り難い。検索した商品が絶版になっていても、即中古という方法で入手(予約)可能だからだ。新品があっても低価格の中古品を予約できるのもいい。

 売り手としてはちょっと使う気にはなれない。手数料が高過ぎるからだ。ヤフオクの方が遥かに手数料が安く、もしかすると落札価格が予定以上に高くなることもあり得る。ただ落札者の支払の不安があり、そういう心配をしたくないのならマーケットプレイスだと思う。

 昨日、マーケットプレイスで予約を入れていたものに対して注文確定のメールが入った。絶版もので、場合によると定価の15倍の値段のつくこともあるようなものが、送料込みで定価の3/4以下で入手できるらしい。ただ、最近復刊されたものなので、もしかするとそちらと間違えて出品しているのではないかと心配している。ヤフオクのように画像のアップがないので状態の詳細が確認できないのもちょっと辛い。

 まぁ、そういうことがあったりするんだけども、何度も定価の半額で新同品を入手したりしたし、非常に助かっているのである。

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2005.04.17

つげ義春と大友克洋

 つげ義春と大友克洋はともに好きな漫画家である。ただし、つげ義春は66年以降の貸本をやめて「ガロ」に発表し始めた頃から、また、大友克洋は作品集的には処女作品集から「童夢」を出す以前のものがいい。

 このふたりの作家の好きな時代では、主に日常生活が描かれている。起承転結というドラマが主体ではなく、淡々としているのかいないのかよく判らない日常が切りとられている。そのあたりが堪らないのだ。

 つげ義春に関しては諦観の視線で日常が見つめられる。しかし、決して自棄になっているわけではない。生にしがみ付きながらも、どうしようもなく、結果どこか諦めているような感じ。水木しげるのアシスタントをしていたこともあり、背景の書き込みの細かさかなりのものだ。黒っぽい画面の中に漂う諦観。

 一方、大友克洋は空元気という感じか。ドンチャン騒ぎの中に冷静にそれを見つめている著者がいる。白い画面に見え隠れするこのギャップが非常に心地よい。「童夢」以降については緻密さばかりが目に入るようになってちっとも面白くなくなってしまった。

 両極端にあるようなふたりの作家であるが、かれらの作品は読了後も永遠に続いているように感じられ、そこに惹かれる。そして、双方とも20年来のファンをさせて頂いている。

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鼻水たらり

 ここんところの体調が悪いのは風邪を引いていたからかもしれない。

 なんか寒気がしたと思ったら、鼻水が出始めて止まらなくなってしまった。俯いたら鼻血のように鼻水がポタポタと滴り落ちるという有様。鼻が鼻水でむずむずするもんだからくしゃみが止まらんし。

 ひたすら鼻水を拭きまくったから、しばらくは鼻の下が痛くなるんだろうなぁ。これも辛い。

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2005.04.16

クーロンズ・ゲート難し過ぎ

 ダンジョンものはやはり辛い。もう自力のみでクリアするのは諦めました。

 攻略サイト九龍風水傳 を見ながらあたしがナビをし、実際の操作は小学生の息子にやらせるという方法でシナリオを進めています。ダンジョン内の実際の往き来は子供の方が得意なようで(^^;)

 これを数日間でクリアした人もいるようで、それはそれはもの凄いものであると思います。

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珈琲党か紅茶党か

 あたしの場合、珈琲党か紅茶党かのどちらかと言えば、当然、珈琲党。

 親しくしていた連中の大半は珈琲党で、貧乏な学生時代とかは喫茶店で珈琲一杯で12時間くらい粘ったもんだ(って、そういう話じゃないか)。

 片や紅茶党もいるわけで、これがまたすごかった。彼はすでに社会人をしてたけど下宿に遊びに遊びいくと、紅茶の缶が5つくらいある。あたしのような珈琲党にとっては紅茶は黄色のパッケージのティーパック・セイロン紅茶くらいしかない。

 葉をどれにするか尋ねられてもよく判らないから、適当に見繕ってもらって、いれてもらうことにする。葉によって醗酵の具合が違い、味も異なるらしい。そしてお湯の温度。とにかく適切な温度でないとダメらしい。そして葉をいれて、蒸し加減。

 いやぁ、実はこのあたり珈琲でも結構、気を使って淹れてたりする。珈琲なら豆の挽き加減に従って分量を調整したりして、懲り始めるなかなか奥が深いんだ。

 とにかく、飲むに至るまでの蘊蓄披露が鬱陶しかった。うまいのをそのまま飲ませてくれればいいのに。ちなみに、あたしは面倒なので、蘊蓄云々は申しません。

 それにしても、銀英伝でヤン・ウェンリーがしきりに「コーヒーのような無粋なもの」と言っていたのが淋しかったなぁ。

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代替品/川田喜久治『地図』

 仕事から帰るとメール便が届いていた。見ると先日、川田喜久治写真集『地図』を買った月曜社からのものだった。リーフレットの一部に印刷ミスが見つかり、送付したものにも同様のミスがある可能性があるため、代替品を発送したとのこと。

 非常に丁寧な対応で感心した。経費を優先するなら、事前に電子メールでミスの有無を確認してから代替品を発送することにするだろう。

 そして、1000部限定のこの写真集にはリーフレットにシリアルが打たれていた(最初のものはペンの手書きだった)んだけども、今回発送されたリーフレットにもちゃんと同じ番号が打たれていた(今度はナンバリングによる)。シリアルも管理してたんだなと更に感心した。

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2005.04.15

アドベンチャーゲームと「ねじ式」

 昨日から始めた「クーロンズ・ゲート」はアドベンチャー・ゲームということになっているんだけど、ロールプレイング・ゲームとどう違うんでしょ? 違いがまったく判りません。

 「クーロンズ・ゲート」をしていて思い出したのが、学生時代にPC98でやった「ねじ式」というゲーム。あたしがつげファンだと知っていた後輩が「研究室に面白いものがあります」なんて、湿っぽい理学部研究室に案内してくれ、一晩だけだけど、迷惑を省みず心ゆくまでいたさせて頂きました。

 もちろん「ねじ式」はつげ義春の代表作のメメクラゲの出てくるあいつなんだけど、もっきり屋少女とかゲンセンカン主人とかの有名どころの登場人物が総出演するゲームだった。何だかんだといって、つげワールドなもんだから、とにかく暗くねっとりした感じ。あたしらのようなつげファンでなければ、どこがおもしろいんだろうかと言わせてしまうような代物でした。

 たぶん、「ねじ式」もアドベンチャー・ゲームにカテゴライズされるんでしょうねぇ。俯き加減でさ迷って、アドベンチャー。かなり怖いです。

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クーロンズ・ゲート-九龍風水傅-


クーロンズ・ゲート-九龍風水傅-

ソニー・ミュージックエンタテインメント エピックレコード
機種: PlayStation
ASIN: B000069TQK
発売日:1997/02/28


 PS2を買ったので、PSの伝説ゲーム『クーロンズ・ゲート-九龍風水傅-』をヤフオクで入手してみました。初回限定版のブックレット付きが定価7,800円(税抜)が500円(+送料210円)と1割弱で入手できたので、まずまず。

 その世界観がスゴイという評判だったけど、確かに子供のやっているドラクエと見比べてみると、ゲーム云々というより、美術を見ているだけでもそこそこ楽しめる。実際の香港の九龍城を写真集とかで見ているとデフォルメし過ぎているという部分はあるけども、やはり湿っぽい雑多とした薄暗がりというイメージを旨く捉えている。

 ダンジョンがメインのゲームなので疲れる。ゲームをセーブするためにも、随分動き回って端末を探さないとできない。中断しようと思って、セーブのための端末を探し出すのに30分くらいかかってしまった。時間の余裕のない時には出来そうもないゲームだ。

 3Dの世界をさ迷うのだけども、移動がゆらゆらとした感じで、プレーする人によっては3D酔いするらしいけど、自分は全く平気だった。

 九龍城も軍艦島と同様なかなか興味深い対象であります。

 風水について。風水は占いの類だとは思ってません。科学的理論に基づいているものだと思います。ひととおり勉強してみたいのですが、なかなか取っ掛りがなくて...

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2005.04.14

友里千賀子と善場貴子

 「あゝ野麦峠」の友里千賀子とプロジェクトXの膳場貴子って、やっぱり似ている。


 地味なのかそうでないのかよく判らない顔。きらいではないけど、大きな声で好きであるとも言い難い。クボジュンよりかは遥かに好きだけど<善場貴子>プロジェクトX

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2005.04.13

とりあえずヤバくないです。

 [ヤバイです。]ということで、今日はさっそく休暇をとって総合病院の内科にかかってきました。自慢じゃないですが、医療機関で診療を受けるのは3年ぶりです。病院では甲状腺の張れと足のむくみと筋肉痛(リンパ節痛ではなく)が症状で、原因を確認するため、胸部写真と血液検査をしたのですが、異状は全く見られないとのこと。

 いったい何が起こっているんでしょうねぇ。

 もうすぐ人生半ばの大台にのるんですが、これまでかつて検査の類で引っかかったことなし。今回も同様でした。まぁ、疲れがたまっているのかしらん、ということで、今日は残りの半日、ノンビリ過ごします。あ、今日は長男の誕生日でもありました。

 関連して「ブラック・ホスピタル」という番組があって、あれはカテゴライズすると教養バラエティに入るんだろうけど、評価が難しい。健康予防については不安を煽るよりも、正確な知識を教授する方が効果的であると言われているんだけど(恐怖を煽られた場合、自分は例外だと思ってしまう傾向がある)、そういう意味では前者の極端な例に該当する。まぁ、番組としてはそちらの方が作りやすいし、まったく何もないのよりかはいいのではあるんだけど。子供が何かあるたびに、病院に行くとか行けとか騒ぐもんで、カミさんはいつも怒っております。

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電話での話し方

 電話の応対で気になるのが、語尾を伸ばすようにして話す傾向のある人。例えば、「お世話になりますぅ~~~~う」なんて具合に「すぅ~~~~う」と妙に伸ばす。

 まぁ、いつも言っているフレーズなので、ついつい無意識に適当に言っていると長く伸ばしてしまうんだろうと思うが、言っている端で聞いていて、電話の向うで言われて、非常に聞苦しく感じる。実際に面と向かって言う場合にはそういういい加減な失礼な発音の仕方はしなかったりするものだ。相手に見てもらえない分注意したい。

 たまには自分がどういう言い方をしているか、意識して確認してみるのもいいと思う。

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言っていいことと、

言っても仕方のないことがある。とは、ショートショートの神様、星新一の言葉。

 製薬会社を興した父親、一(はじめ)がことごとく官に妨害されたことについての中で述べたものだったと思う。

 例えば、苦言を述べたところで、必ずしもそれが功を奏すわけではない。相手によってはまったく意味をなさず、かえって悪く返ってくることもある。資の悪い相手には、沈黙するのが一番な場合がままある。

 ということで、職場の別の部署の人間だがそういう輩がいたりする。電話で数言かわすだけで、激怒させられるのだ。普通に話してアタマにくるのが、昨日はいきなり喧嘩腰で電話をかけてきやがって更に頭にきた。こちらの事情を話すと倍になって向うの立場が主張される。

 なんでこんな馬鹿に文句を言われないといけないのかと思いつつも、込み入った話に持ち込むと屁理屈を押し通されて余計馬鹿馬鹿しくなるから、とにかく「はいはい」で聞き流し、電話を切る時に受話器を叩きつけてやった。


 ちなみに星さんには遥か昔、30年程前にファンレターを書くと『返事を書いていると仕事になりませんので...』といった内容が印刷された葉書の返事を頂き、また、翌年の正月には「勉強頑張ってください」と一筆手書きの加えられた年賀状が送られてきました。ファンに対してとしても律義な敬愛すべき作家でしたね。それに比べ、ツツイは...

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2005.04.12

ヤバイです。

 まじヤバイです。先月の中頃からあんまり体調が思わしくなく、更に体中のリンパ節が順々に肥大していってます。今週中に、休暇をとって大きめの病院で精密検査でもするつもりです。

 まぁ、遅かれ早かれ、いつかは死ぬんだからそんなには焦んないけどねぇ。

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2005.04.11

刑事コロンボ コンプリートDVD-BOX 再発売

 先月、1,500限定で発売された『刑事コロンボ コンプリートDVD-BOX 』が来月、再発売になるらしい。

 正直いって、どういうつもりで少数限定で出したのかよく判らない。まぁ、反響が大きくて急きょ再発売することにしたんだろうけど。ヤフオクで出品するために、複数買いしてた人はすでに捌けてたんだろうか。買いそびれて、直後にヤフオクで倍の価格で落札したような人は頭に来るだろうなぁ...

 最近のDVDは完全に水物になっているんで、転売をするということをしなくても、買いのタイミングが難しいです。

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2005.04.10

これを見よ!

 http://blog.goo.ne.jp/search/search.php?status=select&tg=all&dc=10&dp=all&st=time&MT=%C6%F3%B6%DA%C6%EC&ts=all&da=all

 当然といえば当然なんだけども、それでも変な気分。

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システム屋さん

 以前の部署ではホストコンピュータに乗っけているデータベース・システムの保守・改造やら新規構築を担当してて、いかにもシステム屋さんだったのだが、この5年くらいはホストには全く携ってない。しかし、システム屋さんの仕事は結構あるのだ。

 ホストで何かの管理システムを開発するなら少なくとも委託料として数千万は必要だけども、小人数でローカルにでしか使用しないというのなら、大抵の場合、リレーショナル・データベースソフトのAccessでことがたりる。Accessで自前でつくることができれば、数千万が数十万の残業費で済んでしまう。

 PCが一人一台というような状況となった今では、スキルがないから作れないものの、作ってもらえるのならすぐにでも作ってもらって使いたいという雰囲気ができている。

 新しい部署でExcelを使っての台帳管理が難しいという話をしているから、Accessとかを使うといいですよ、なんていうといつの間にか、システム構築してくださいということになってしまった。複数部署にわたる業務であったりと少なからず複雑な感じもあったが、現状の事務を見ていると無駄なことばかりしているような気がし、そのまま、その事務を自分がする気にもなれない(苦笑) 「人事課がわざわざシステム構築するように仕向けてくれたんだ」なんてまで言ってその気になってくれるもんだから、ちょっと時間をやりくりして頑張ってみようかと思う。

 異動のたびに何かを作らされ続けている(ひどい場合は異動した後も新規開発の依頼がくる)けども、これはスキルを落さないどころか、向上につながっているし、あたし的には非常に嬉しいことなのだ。

 ただ土曜日も休日出勤して、帰宅したのが夜11時過ぎ。時間があるのかどうか。

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雜賀雄二『軍艦島-眠りのなかの覚醒-』



軍艦島―眠りのなかの覚醒

雑賀 雄二
単行本: 143 p ; サイズ(cm): 24
出版社: 淡交社 ;ISBN: 447301987X ;(2003/03)

 先日、紹介した『月の道-海 月光 軍艦島-』の著書である雜賀氏による写真集。『月の道』以前の『軍艦島-捨てられた島の風景』(86年:新潮社)が絶版になっていたものを03年に復刊したもの。ただし、当初のものと副題が変っているように、収録写真も入れ替わっているらしい。

 著者は新聞報道で軍艦島の閉山を知り、無人化する3ヶ月前の1月10日に初めての軍艦島入りする。それから閉山の74年4月20日まで頻繁に島に通い、最後の島での人々の生活ぶりを見届けている。島を離れる最後の船は「最後の島の姿を見ようと、人たちは左の甲板に押し寄せて、船は転覆するほど傾いた。(追想・軍艦島)」らしい。

 ちなみに、『軍艦島実測調査資料集(阿久井喜孝・滋賀秀実編著)』で閉山直前の予備調査時の様子について、同じように「乗り込んだ人たちのほとんどが、島の見える左舷の甲板に立錐の余地もないほどに群がり、島側に傾いた船は今にも転覆しそうである。」と記述されている。異なった方面であるが、軍艦島に対して非常に精通した二者が、この最後の船に乗り合わせていたのは興味深い。いや、実は至極当然のことであるのかもしれないが...

 閉鎖から10年後に撮られた写真による写真集は、前半は風化し倒壊しつつある家屋を外から捉えて、後半は残された人々の生活の変わり果てた姿を室内で捉えて、といった構成になっている。20年近く経ってからの復刊であり、著者の視点に変化があったのは確かだろう。しかし、見たことのある生活について捕らわれているのは確かであり、感傷さ加減が痛々しい。

 そういう意味でこの次作となる『月の道』は感傷を越えたものであり、軍艦島をそのまま感じるように撮ったもの(もちろん、月の光で岸壁の両側を捉えるという技法の着眼によるものだが)であるということが確認できる。個人的には『月の道』の方が好みである。

 『月の道』、どうやら、しばらく前にヤフオクに出ていたようで、開始値は2,900円だったようだ。そして、落札値は19,000円。あたしは数日前後してほぼ開始値の3,000円で購入したんだが...

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2005.04.09

何が大事かって、

 やっぱり、自分で自分の時間が制御できること。

 夜11時過ぎに帰ろうかと思って立ち上がると、同僚に「明日は大丈夫ですよね」って言われた。異動になったばかりで勝手がわからない。

 月次ではなく、年次のルーチンワークで動いている担当。一年は辛抱しないといけないんだろうなぁ... まぁ、増員ということでリアルタイムに指導が受けられるから楽。前回の遠隔指導は死にそうになった。

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2005.04.08

雜賀雄二『月の道-海 月光 軍艦島-』


月の道 海・月光・軍艦島

雑賀 雄二 (著)
大型本: 54 p
サイズ(cm): 34
出版社: 新潮社
ISBN: 4103632046
(1993/03)

 絶版になっていた雜賀雄二氏の写真集『月の道』がアマゾンのマーケットプレイスに出品されていたのを見つけたので、すぐさま購入。以前から欲しいと思っていたのだが、綺麗な状態で、更に半額で入手できたので非常に嬉しくて仕方ない。

 本のタイトルにあるように月の光の下で撮影された写真集。月夜の明るい日に30分くらいの長時間露光で、島を守る岸壁のうえから軍艦島を周回するように撮りためたもの。雜賀氏のサイトの中の「月の道」から、写真集収録の54枚中22枚をみることができます。

 この撮影中に雜賀氏はおそらくNHKの取材を受けているはずである。というのは10数年前に、島に一人で寝泊まりして、島の写真を撮っている写真家のNHK特集を見た覚えがあるのだ。

 そのなかで印象深かったのが夜の話。やはり、いてはいけないものを随分と見聞きしてしまったということが語られていた。『月の道』の後書きでも同じようなことがそれとはなく書かれていた。この島は強制労働が行われた場所でもあり、忌まわしいことも少なからずあった。

 太陽光で撮られたものとは違い、明暗が明確となり非常に物静かな佇まいを見せる。岸壁の陸地側は凍りついた死の様相を表す一方、海は生温く生きているように見える。このコントラストは何とも言えない。英語タイトルはBorderland、境界地。この写真集の表扉では「亡き父と母、そして急逝した妹へ」と亡き者に写真集が奉げられているが、それを素直に受け入れることができる内容だ。

 生と死が共にある場所、それが軍艦島である。

 この写真集については現在、絶版になっているため、復刊への動きがいくつかある。詳しくは、雜賀氏のサイトの『月の道』復刊リクエスト、そして、復刊ドットコムをご覧ください。

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2005.04.07

筆跡

 そういえば、職場で同僚から「初めてO-Maruさんの字をみた」なんて何度となく言われてきたような気がする。PCを使い始めて筆記用具を使う頻度がかなり減っている。ボールペンが見当たらなくって、隣の同僚にちょい借りするのがごく普通だったり。当然、万年筆はなくてもいい。

 そして「可愛い字を書くんですね」とかともよく言われたりするんだな。

 そうそう、数字については就職してから字の書き方を練習しました。

 市民から受付けした申請を審査し、給付額を申請書に記入し、それをパンチャーに入力してもらうという業務をしておりました。確認リストを出力して最終確認を行うものの、パンチャーに数字を誤読されるのはよろしくなく、とにかく読みやすい数字を書くように心がけていたものでした。

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万年筆

 TVでNHKを見ているのだけど、万年筆職人を追ったドキュメンタリーをしている。

 万年筆といえば、12~22歳の間はいつも愛用のものを持ち歩いていた。

 学級新聞で小説のようなものを書いたのを切っ掛けに、本好きということもあり、ちょっと長めの話を書いたりして遊んでいた。親は妙な期待をして、嬉しそうに万年筆を買い与えてくれた。小説家というと倦厭されるきらいが一部ではあるが、印刷の版下作りを仕事としていた母親にとっては物書きはとくにあこがれの対象でもあったようだ。

 そのうちストーリーテラーでないことを知ってからは物語を書くことはなくなったが、万年筆に関しては、ごく普通にボールペンを使うような感じでいつも使っていた。

 よくズボンの尻のポケットに突っ込んでいたりしたもんだから、漏れたインクでズボンを汚してしまうことも何度かあった。映研の撮影で20kmほど離れたところで撮影をして帰るとポケットに入っているはずの万年筆がなかった。祈るような気持ちで、撮影現場の浜辺に戻ってみると、そいつはどこにもいかずにしっかり待っていてくれた。

 万年筆は他人に貸してはいけない。ペン先に癖がついているから、その癖に慣れていない者が使うとあっという間にダメにされてしまう。その掟を破ったあたしはそのまま10年間愛用していた万年筆を失うことになる。

 サークルの呑み会の会場の移動中、公衆電話に入った後輩に筆記用具を貸してくれとせがまれ、万年筆を貸した。とりあえず、移動中だったので、移動先で返してもらうようお願いしたのだが、貸したのを思い出したのは、お開き寸前の時だった。後輩はすでに万年筆を持っておらず、どこで失くしたのかも判らないという。二次会、三次会と飲み歩いた店に戻って店員に尋ねてみても、どこにもなかった。

 それ以来、万年筆を使うことはなくなった。あの愛用していた万年筆に勝る万年筆を作り上げる自信がなかったからだ。親に買ってもらった万年筆はパイロットの決して高くないものだったが、その後に買ったモンブランなどの高級品に勝る書き味となっており、愛用品を換えることはできないこということをすでに経験していた。自分にあった万年筆に出合うというのは実は運なのかもしれない。

 自分自身もう20年近く万年筆を使っていないけども、まわりでも使っているのを見かけることはほとんどない。非常に味のある道具を使わなくなる、使われなくなるのは、淋しい。

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最近の井上和香のでているCMをみて

 制服は女性を美しく見せる装置である、と再認識。

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2005.04.06

コーヒーメーカーとミル

 昨日、到着したコーヒーミルだけども、カミさんが留守のうちに配達され、帰ってくるまでにすでに淹れてしまっていた。

 今日、夕食後、珈琲を淹れようとミルを使って珈琲豆を挽いていると、カミさん曰く、「ミルって豆を挽くだけなん?!」

 どうもコーヒーメーカーのように豆を入れると珈琲まで淹れてくれるものだと思ってたらしい。豆を挽くだけの数万の機械。確かに安くはないけどね~ 優雅なひと時を過ごすのにはこれが必要なんだわい。

 ちなみにコーヒーメーカーは使ったことない。

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コーヒーミル みるっこ

 ちょいとした散財をいたしました。

 タバコを休止してから丁度半年になりました。それまで1週間で1カートン(10箱)ペースで吸っていましたから、7万円程のタバコ代が浮いたことになります。タバコも止めているし、少しは別のことでリッチに過ごそうということで、タバコに次いで好きだった珈琲にちょっとお金をかけてみることにしました。珈琲にお金をかけるといっても、タバコのように月に1万数千円はなかなかです(笑)

 ということで、しばらく前から家で飲む珈琲は挽き豆を買い、ドリップで淹れていました。豆というのはだいたい200g単位で買うのですが、一袋使い切るのには2週間ばかりはかかります。挽いている状態なので、空気に触れやすく、豆のままよりも鮮度が落ちてしまいやすいんですね。ということで、淹れるたびに豆を挽くというのが理想で、コーヒーミルが欲しくなるわけです。

 実家では母親が珈琲好きということもあって、手動式のコーヒーミルでごりごりした後にサイフォンで淹れるということをやっていましたが、その手動式のものは作りがちゃちで途中で挽き具合が変るやら、うるさい、時間がかかる、疲れるというので、そのうち挽いた豆を買うようになっていました。

mirukko いろいろ調べてみると家庭用コーヒーミルに関しては、コーヒー機械専門メーカーのフジローヤルの「みるっこ」が業務用としても使える等、評判も良いようで一進流珈琲屋さんで通販購入しました。ここでの通販は以前から挽き豆の購入もしていましたが、実はネット通販では一番安く、この「みるっこ」を販売しているんです。今回、購入したのは、豆もセットになった「みるっこ」入り豪華福袋で、かなりお得になっています。

 珈琲屋さんは、最近ではネットでしかお世話になっていないんですが、実は市内にある喫茶店で職場から数百メートルの所にあり、独身時代はよく利用させて頂いておりました。あたしの結婚披露宴がすぐ近所のホテルであったため、2次会までの時間潰しに十数人で押し掛けたこともありました。結婚してからはそんなに出歩いて喫茶店に入ることもなくなったんですが、こうやって懐かしいお店と通販でお付き合いできるのは嬉しい限りです。

 みるっこを使った感想は、噂の通り、微粉が粉の受け容器にかなり付着するという難点があるものの、均等に挽けています。とても静かですしね。それで、味はというと... そんなに飲み込んでないんで正直、判りません。ただ、珈琲屋さんの豆は浅煎直下焙煎という独特の焙煎をしていますので、まろやかさが際立っているように感じます。

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2005.04.05

ローマ法王死去

 ローマ法王が亡くなられたようだが、カトリック教徒ではないのでまったく実感はない。

 昭和天皇が崩御された時に似たような感じなのだろうか。昭和天皇の崩御は果たしてそんなに日本国民に悲しみを与えたのか。個人的には第二次世界大戦から伸びてきている歴史がようやく終ったという、歴史のひと区切りを実感したが、とくに悲しみはなかった。

 行動を支配されるのは良くないが、心の拠り所があるというのは非常に重要なことだと思う。我々にそういったものがあるだろうか。それが腐った資本主義であれ、正義であったとしても、なにかを持っている者を見るとうらやましくなる。

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2005.04.04

子供の喧嘩に親

 ふと思ったこと。

 子供の喧嘩に親が出るのはよろしくないとされているけども、「親の喧嘩に子供が出る」のは更に資が悪いんじゃないかと。これは悪循環の典型だわ。

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「トータル・フィアーズ」→「原爆投下・10秒の衝撃」

 朝日の映画「トータル・フィアーズ」からHNKのNHKスペシャル「原爆投下・10秒の衝撃」の流れで見た人って多いんでしょうね。


トータル・フィアーズ

監督: トム・クランシー
出演: ベン・アフレック, モーガン・フリーマン
ジェネオン エンタテインメント
ASIN: B00006G2P1


 まともには見ていないけどもTVシリーズの「24」でも自国に核爆弾を落していたはず。「トータル・フィアーズ」でも同じようなことをやってたので、米国人って核に対してそんなに緊張感がないのかしらんと、怖くなる。同じく最終戦争突入の危機を描いた、スタンリー・キューブリックの「博士の異常な愛情」 やシドニー・ルメットの「未知への飛行」は非常に緊張感があったものだがなぁ。


博士の異常な愛情
または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか

監督:スタンリー・キューブリック
出演:ピーター・セラーズ
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
ASIN: B000666RDC

 作品がつくられた時代背景が違うのか。後者は60年代半ばの冷戦の真っ只中。キューバ危機とかもあってより最終戦争がリアルだったんだろうと思う。

 「原爆投下・10秒の衝撃」は久々に見た。物理的な破壊そのものに関しては最初の10秒間でほとんどが終っていたというのは、やはり驚異である。ただこの後、放射能という見えない威力によって多くの人々が何十年にわたって苦しめられることになる。むしろ、本当の恐怖はこちらの方だといっていい。「トータル・フィアーズ」はこのあたりが完全に欠如していて、スカスカにしかみえないのだ。本当の核兵器の怖さを知らないといってもいい。

 中国のテロリストにより99年5月、1メガトン=広島型原爆70個分の水爆を搭載したIRBMを東京・市ヶ谷に落され、半径15キロ圏がほぼ潰滅されるというのが小説『東京地獄変』。核攻撃の後の東京をシミュレートした小説なのだが、阪神大震災で自衛隊の初期活動が遅れたという批判を踏まえ、我が身を捨てて放射能汚染地区に人命救助に向かう自衛隊員の活躍等が描かれ痛々しい。二次被爆で次々と隊員達は倒れ、最後、その責任をとって指揮官は自決という、まぁ、被爆国の日本ならではの重いラストでした。


東京地獄変〈上〉

横山 信義 (著)
単行本(ソフトカバー): 453 p
出版社: 幻冬舎
ISBN: 4877289321
上 巻 (1998/06)




東京地獄変〈下〉

横山 信義 (著)
単行本(ソフトカバー): 481 p
出版社: 幻冬舎
ISBN: 487728933X
下 巻 (1998/06)

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2005.04.03

潜水艦映画

 『ローレライ』が公開されているということで、潜水艦映画の傑作2作品を紹介。


Uボート パーフェクト・コレクション (初回限定生産)

監督: ヴォルフガンク・ペーターゼン
出演: ユルゲン・プロホノフ, ヘルベルト・グレーネマイヤー
ディスク枚数: 4
ジェネオン エンタテインメント
ASIN: B0006B9X7Y


 『U・ボート』はドイツ映画。ドイツ映画はあまり日本で公開されることがないので、20年前この映画を見た時、その出来にはびっくりした。見た目に模型を使っているのが判るシーンもあったりはするが、それでも今の日本ですらこの映画をつくる力量はないと思われる。

 このDVD-BOXは劇場公開版・TVシリーズ版・ディレクターズカット版の3つのバージョンが収録されている。もともとはTVシリーズとして撮影したものを劇場版(81年/135分)に編集して公開、3年後に全6話のTVシリーズ公開(84年/日本未公開・313分)、そして長尺の劇場公開版ディレクターズカット(99年/209分)である。

 ただ劇場版は字幕が焼き付けられているマスターが用いられ、さらに画像も非常に悪い。この版はかつてDVDで出されていないので、DVDになっただけマシと考えるべきか。しかし、画面の荒さが映画館で見たイメージにかなり近かったりするんで、嫌いじゃないんだよなぁ。TVバージョンは劇場公開版ほどではないが、かなり画像が悪い。ディレクターズカットの画像はほぼ完璧で申し分ないです。

 狭い艦内を往き来する若い兵士たち。平時のだるさと戦闘時の緊張という極限が行き交う。過酷な環境での戦闘に勝ち、ようやく母港に帰港した艦を待ち受ける悲劇。リアルな戦争というのがここに見られる。


眼下の敵

1955/独=米
監督: ディック・パウエル
出演: ロバート・ミッチャム, クルト・ユルゲンス
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
ASIN: B00012T3MS


 『U・ボート』が潜水艦側からだけの話だったのが、こちらは米駆逐艦と独潜水艦との戦い。双方を善悪という見方で描くのではなく、平等に描く。指揮官はともに優れており、戦争映画というより、スポーツマンシップにもとづいたスポーツを見ているようなすがすがしさ。

 他にも潜水艦ものは幾らかありますが、この2本は誰もが認める傑作であると思います。

 『ローレライ』については、映画館での鑑賞はおそらくパス、かな。無料だったら見ますけど。

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2005.04.02

3月の受信メール

 3月の受信メール2,600通中、SPAM1,200通。

 メーラーはBecky!を使っているんですが、このPlug-InソフトのBkASPil for Becky!2は95%くらいのレベルでフィルタリングしてくれます。なかなか気持ちよい。

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2005.04.01

飽食の宴会

 職場の宴会が嫌いな理由。

 酒が嫌いというのもあるけど、食い物が粗末にされるということ。

 参加人数が多くなればなるほど、また、平均年齢が低くなればなるほどこの傾向があるような気がする。

 金を出せば何をしてもいいということではないと思うんだが。給仕をした者に、料理を作った者に、食糧の生産者に、そして、食われるために殺された者に何というつもりなんだろう。

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暗黒のその向う/写真集『地図』

 職場の歓送迎会から帰ると写真集『地図』が到着していた。包みを見た時に思った以上に小さく軽いのでびっくりした。あくまでも「思った以上に」というのは12,600円という価格に連動してのイメージなんだけど。よく見るとサイトの紹介にA5判とある。

 サイトの写真は写真集を発行する前の作品展に使ったものだろう。作品展で使ったプリントはプラチナ・プリントという技法を用いたもので、印画紙にプラチナを用いて、それに密着プリントするという特殊なもの(詳しいことについてはブログ「Days of Books, Films & Jazz」で紹介されている。)

 実際に見ていないけど、そのプリントの持っている特徴と写真集のものとは一致していない。コントラストが高くグレーの階調は決して高くない。また、ディテールも細かくない。サイト掲載の写真をそのままイメージしているとちょっと外される。しかし、観音開きで畳み掛けてくるイメージは非常に強烈だ。暗黒の向うで蠢くものを感じる。

 外見的に似ていると思ったのが、ドラマ『ケイゾク』のオープニングタイトル。もしかすると、手法的なところはこの写真集から影響を受けているのかもしれない。

 作品の大半は原爆ドームのシミ。これらの写真が撮られた60-65年は自由に原爆ドームに出入りできたようである。

 著者が一筆寄せているなかで写真集「100 SUNS」に言及しているのが興味深かった。心の中に止めておいて忘れてはならないことがあるのだ。

 ちなみにサイン本の購入受付は終了した様。たぶん、あたしが一番最後くらいではなかったのかな。シリアルつきなのだけども、223/1000。サイン本は100部限定なんだけどなぁ。

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